韓国では国内の大気汚染物質の大部分は国外(中国)から飛来したものというのが通説になっています。
PM2.5の濃度を見ると、対馬海峡を境に日本と半島南部とではっきり差が出ていますから、そう言いたくなる気持ちも分からないではないですが…北はそれほどでもないんですよねぇ(小声)
そこで黄海上で人工的に雨を振らせることで、汚染物質が韓国国内に飛散する前に洗い流すことが可能か確かめるための実験が行われたそうです。
似たような計画はタイでも計画されているようですし、昨年には中国でも人工降雨の実験が行われています。
そんなことが可能なのか?そもそも仕組みは?気になったので少し調べてみました。
そもそも雨が降る仕組みとは?
水が蒸発して上空に昇り、また水滴になって落ちてくる
ざっくり言ってしまえば、これが「雨」ですが、水だけでは雨になりません。
水蒸気は雲の内部で対流していますが、この対流の過程で核となるもの…自然界の場合、小さな塵ですが、これに水蒸気がつくことで飽和水蒸気という状態になります。
更に対流を繰り返すことで大きく成長していきます。
そしてある大きさまで成長すると、重力に負けて地上に落ちてきます。
人工降雨はこの仕組みを人の手で誘発させることにより、人工的に雨を降らせようという試みです。
雨粒の核となる物質を上空で散布
飽和水蒸気を作るために、核となる物質が必要になります。人工降雨ではヨウ化銀という物質を使います。聞きなれない物質ですが、天然に存在する物質のようです。ただ、算出は稀だとか。多くは硝酸銀水溶液にヨウ化カリウム水溶液を加えることで沈殿物として生成されるそうです。
毒性があるようですが、人工降雨で使用される量は極めて微量であるため、人体への影響はないそうです。
このヨウ化銀を飛行機から散布したあと、雨雲の形成の観測やPM2.5の濃度変化を分析するという形で行われたそうです。
雨は降らなかった
詳細なデータ分析の結果はまだ出ていないようですが、雨自体は降らなかったようです。
雨を降らせることそれ自体が最終目的ではないので、例え雨が降らなくてもPM2.5濃度が低下していれば成功と言えるのかもしれません。
今回の実験が第1回目で、年内に合計15回を予定しているようですが…それに予算70兆ウォンくらい掛かっているようで…。
その予算でまず国内で放出される大気汚染物質をなんとかしてからにしたらどうかと…。