IQOS(アイコス)の有毒性についての研究の話

加熱式タバコの代名詞とも言えるIQOS(アイコス)は日本国内の加熱式タバコの 71.8% という圧倒的なシェアを誇っています。
このほどオーストラリアのタスマニア大学の研究チームがIQOSからの煙がヒトの呼吸器細胞を傷つけるという研究結果をまとめた論文を発表しました。


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実験はIQOS、紙巻たばこ(マルボロ)、電子タバコ(Blu)の3種を用いて行われました。
それぞれが発する煙やエアロゾル(IQOSを加熱することで生じるニコチンを含む微粒子)を0.1%、1.0%、5.0%、10.0%と、4段階の濃度に変化させ、ヒトの呼吸器細胞を入れたフラスコ内に吹き込むという方法です。

ちなみに電子タバコbluとはVAPEから発売されているノンニコチンのフレーバータイプのブランドです。


呼吸器細胞が用いられた理由としては、IQOSが登場してからまだ数年しか経っていないため、呼吸器への影響を評価するには年数が足りないこと、なにより健康に影響する問題であるため人体を用いた実験には、被験者へ喫煙を強要するなど倫理的な問題があることがあげられます。


実験の結果、ニコチンが含まれるIQOSと紙巻たばこに関しては煙(エアロゾル)濃度が1.0%以上(1.0%、5.0%、10.0%の3段階)の時、フラスコ内の細胞がひどく傷つくことが確認されました。
また、ノンニコチンの電子タバコについても5.0%以上(5.0%、10.0%の2段階)の時、同じ現象が確認されたとのことです。


日本の飲食店では最近、全面喫煙の店舗が増えてきていますが「IQOSは可」というところがあります。

従来の紙巻きタバコに比べ、有害物質のリスクが低減されているというのがその理由のようです。
ところが、IQOSに代表される加熱式タバコ…正確には非燃焼・加熱式タバコと言いますが、これが出すエアロゾルは目に見えないだけで周囲に拡散しています。
受動喫煙(受動吸引)のリスクは紙巻きタバコと同様です。

このことが今回の実験で証明されたことになります。
日本呼吸器学会は以前から加熱式タバコの危険性に警鐘を鳴らしていました。


そもそも有害な物質が含まれており、それを吸い込んでいるわけなので健康被害があることは間違いありません。

加熱式タバコはどんどん新製品が投入されており、今後もシェアが拡大するものと思われます。
時間が経てばそれだけ新たな研究結果も出るでしょうし、経年による健康被害も顕著になっていくだろうと思われます。


もし、お子様やご家族への健康被害を心配して紙巻タバコからの乗り換えを検討しておられるのであれば、意味はないということを是非知っておいてください。