災害時にペットとの避難を考える話

あの日から8年が経ちました。
TVや報道でも大きく取り上げられることが多く、防災やいざというときの避難についてどうしても考えさせられます。

我が家には現在、犬と猫が2匹ずつ居ます。
いざというときどうすべきか、実ははっきりしていません。
母はどうやら逃げないと決めているようです。
犬2匹が中型犬で、避難所には連れて行けないし、だからといって置いてもいけないと思っているようです。

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我が家のイケニャン。いざというとき、このコの生命は私に掛かっている。

私は、それに対してちょっと色々無責任なんじゃないかと思うのですが、避難所の実情も知らず、いざというときの混乱下でどう判断すべきか、今ひとつ自信がないために反論できずにいます。

大きな災害が起こるたびにペットとの避難は課題の一つとして上げられているようです。

一度きちんと調べておかなければ、と思っていた所、良いものを見つけました。

環境省が発行している「人とペットの災害対策ガイドライン」という小冊子です。

少し長いのですが、基本的な心構えや常日頃整えておくべきの準備、備蓄品などについて紹介されています。

ペットと暮らすのであれば、最低限知っておくべき(覚悟しておくべき)ことが載っています。


基本は自助


大きな災害が発生したときは頼れるものは自分だけです。
ペットが頼れるものは飼い主だけです。

まずこの「自助」を念頭に置いて、備えておかなければいけません。


「同行避難」と「同伴避難」の違い


ガイドラインの中で一つポイントとなっているものに「同行避難」と「同伴避難」の違いがあります。

同行避難」は飼い主がペットを連れて、一緒に緊急避難場所へ避難することを言います。
飼い主とペットが一緒に安全な場所に避難することで推奨されている避難方法です。


同伴避難」は避難所でペットと一緒に避難生活を送ることで、緊急避難した後のことを言います。
同伴避難」が可能かどうかは自治体や避難所ごとに判断が分かれます。
事前に住んでいる自治体の方針を調べて同伴避難が可能か否か知っておく必要があります。


「同伴避難」と「ペット受け入れ可」、意味するところは別


同伴避難が可能な避難所は基本的に少ないです。


また、「ペット受け入れ可」としている避難所がありますが、これは同伴避難とは異なり、人とペットの避難エリアを分けている避難所です。
アレルギーや鳴き声などのトラブルを避けるために、駐車場などにゲージを置いてペットはそこに収容するかたちを取っています。
ペットにとってはお世辞にも良い環境とは言えないのが実情です。


近くの動物病院や愛護団体施設もチェック


設備自体が被害を受けていた場合には利用できませんが、近くに動物病院や動物愛護施設のセンターがあるなら事前に受け入れ体制についてチェックしてみましょう。

また、獣医師会や動物愛護ボランティアなどによる一時預かりのサポートも広がりつつあります。


絶対にやってはいけないこと


野に放たない


災害発生時に絶対に飼い主が行ってはならないのはペットを野に放つことです。

いざというとき、連れて逃げることが出来ないと思ってとっさに自力で生き延びるチャンスに掛けて野に放つ、ということをしてしまう飼い主さんが居ますが、これは絶対にダメです。

飼われることに慣れたペットたちにとって、外の世界は大きなストレスになります。
特に大きな災害が発生したときはパニックを起こします。

保護団体がなんとか捕獲しようとしても怯えて逃げ惑い、捕獲が難しくなります。


まとめ


同伴避難が困難であってもまずは同行避難を心掛けましょう。
とにかくまずは生命を守ること、危険から遠ざかることです。

仮に外出中に災害が発生した場合、まずは飼い主さんの安全確保を優先してください。
すべては飼い主さんの安全が確保されていることを前提としています。
その上で、ペットを避難させることが可能かどうかを判断してください。

逃げないという選択だけはペットにとっても飼い主さんにとっても、何一つ良いことになりません。
それだけは肝に銘じておくように、母とも話し合おうと思います。