米韓首脳会談の話

いきなり訪米されたので、何かサプライズでもあるのかと思っていたのですが、そうじゃないみたいです。
一応、「南北首脳会談を推進する計画(北の返事はまだ)」をお知らせに行くという名目はあったようですが…。
事前に何事か米国側とすり合わせが必要な案件があったわけでもないです。
そもそもハノイでの会談以降、状況は動いていませんし、米国の要求も変わっていません。

一体何しに行ったの?というのが正直なところです。

訪米の必要性を疑問視していたのは私だけではないようです。
VOAの英語版と韓国語版で、ムン大統領の訪米がどのように報じられているか見てみました。


英語版VOAは関連記事を2本上げています。

4/11付で上げられた記事では3回目の米朝サミットの可能性について、トランプ大統領が言及したことに触れています。

が、この記事では今回の米韓首脳会談の内容にはほぼ触れていません。

昨年6月のシンガポールでの米朝首脳会談からの流れと、韓国が同首脳会談実施へ向けた後押しを行ったことについて書かれています。


4/12付で上げられた2本目の記事は「North Korea Might Abandon Moon as Mediator With US(北朝鮮はムンを米国との仲介役として見限るかもしれない)」というタイトルです。

北朝鮮のウェブサイトに「韓国が南北協力に真の関心を持っているのなら、米国に伝えなければならない」という表現が載ったらしいのですが、今回の訪米で制裁緩和を引き出せなかったので北からの信頼を失うかもしれないという意味です。

このあたりは韓国語版の記事が詳しく、ムン大統領は近いうちに南北首脳会談を希望していますが、米国から制裁緩和を引き出せなかった韓国に対して「北朝鮮が韓国との首脳会談に興味を持たないだろう」とヘリテージ財団の上級研究員が指摘しています。


更に、同じ韓国語版の記事には

  • ムン大統領ができることは、北朝鮮に米国との首脳会談をしたいなら実務者協議に参加するよう説得すること
  • 事実上の進展を達成することができる方法は実務交渉再開であり、それまでは何の進展も達成することができない

としています。


一体何しに来たの? と読めます。
働きかける相手が違うと言っているような気がします。