Huawei独自OSの話

中国のスマホ関連のニュースサイトがHuawei独自OSについて報じています。
「鴻蒙(HongMeng)」という名前のようです。
どうも別名(海外名?)があるようで「Ark(アーク)」「Ork(オーク)」と合わせていくつかの国で商標登録申請が出されたとか。


現在確認出来ているのは、欧州諸国、カナダ、メキシコ、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ペルー、トルコ、フィリピン…あたりだそうです。
記事には載っていませんでしたが、日本の特許情報サイト「J-PlatPat」で確認した所、「Hueawe|HongMeng」で申請が出ていました。

9月に発売される(と言われている)最新のMate 30シリーズに新OSが搭載されるのは確定らしいので、近いうちに何らかのアナウンスがあるものと思われます。
ただ、海外向けの新機種に搭載されるかはまだ不透明だとか。


独自開発の新OSはAndroidと同じく、Linuxをベースにするであろうということは間違いないでしょう。

AppleにしろSonyにしろ、その他のメーカーにしろ、基本的にはユーザの囲い込みを狙った一定の閉鎖性があります。
同じメーカー性の機器同士でしかリンク機能が使えない、とかです。
Googleはここの所が機器ではなく、サービスに寄っているので、他メーカーに比べると囲いが緩いです。
OSに依存しないサービスによる囲いと、Androidオープンソース化する戦略でシェアを取りました。

IT分野では、機器とシステムとサービスなどの連携機能のことを「エコシステム」と呼びます。
Huaweiが独自OSを根付かせたいなら、オープン路線に行くのと同時にエコシステムの構築が必要になります。

GoogleAndroid OSの中に地図、メール、写真、オフィスツール、クラウド、アプリストアなどなど、基本的な機能をセットで提供しています。
Microsoftノキアサムスンなどスマホ向けの独自OSを開発しようとした企業は、このGoogleのエコシステムの前に破れた恰好です。
中国のあるメディアは、このことを指して 兵糧攻めと表現していました。


HuaweiGoogleの全方位エコシステムの前に破れたこれらの企業と同列に扱えないのは、中国の国内事情があるためです。
中国国内ではGoogleサービスが使えまえん。
ですので、約14億(中間層4億)人の内需Googleのエコシステムを必要としていないことになります。
Huaweiが国内シェア3割を持っているクラウドサービスとのリンクをベースにエコシステムを強化できれば問題ありません。
自社OS投入後、必要となるユーザからのフィードバックは国内市場から十分得られます。
それを下敷きにグローバル展開を進めていけば、もしからしたら 「第二のApple」としてAndroidiPhoneと並ぶ第三勢力になり得る可能性があります。


Huaweiが好き・嫌いという次元の話ではなく、寡占市場は面白くないと思っているので、この流れは良い傾向だと感じます。
基幹システムが乱立し過ぎるのは問題ですが、選択肢が2つしかないのも問題です。