ホルムズ海峡でタンカー二隻が攻撃(推定)を受けた話

ホルムズ海峡で二隻のタンカーが何らかの攻撃を受けたようです。
うち一隻は、日本の国華産業が所有しているパナマ籍の船舶で日本向けの貨物(ナフサ)を積載していました。


詳しい被害状況はまだ分かっていません。
ロイターの報道によると被害にあった内の一隻、国華産業が所有しているタンカー「コクカ・カイレイジャス」 に沈没の恐れは無く、21人の乗組員は全員無事に救命艇で脱出し、近くの船に救出されたということです。

もう一隻は、マーシャル諸島のフラッグを掲げていたらしいので、位置的に恐らくの「フロント・アルタイル」(ノルウェーの会社所有)だと思われます。
こちらは船体から火が出ているそうですが、船員は無事避難したとのことで、とりあえず一安心です。

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黄色枠内の左が「フロント・アルタイル」、右が「コクカ。カレイジャス」。
画像は「マリントラフィック」より。


先月12日にもサウジアラビアの石油タンカー四隻が攻撃を受け、UAEノルウェーサウジアラビアの3カ国は「洗練された連携作戦」と表現し、「国家の関与を示唆している」との見方を示していました。
この3カ国とは別に、米国のボルトン大統領補佐官は「イランによる機雷」との見方を示し、イラン側はそれを否定しています。


とても狭い海峡なのですが、石油搬出の重要な要衝であり、米国と緊張状態にあるイランが海上封鎖をチラつかせたりと、たびたび問題になる場所です。
ここが封鎖されると日本への原油供給にも影響が出るため、決して他人事ではありません。

現在、安倍さんがイランを訪問しているのも米国とイランとの緊張緩和に向けて仲介役を買って出たためと言われています。
最高指導者のハメネイ師との会談は日本時間の午後2時半から開始しています。
バーレーンを拠点としている第5艦隊によると、現地時間の午前7時(日本時間午後1時)に2回目のタンカーへの攻撃を確認しています。

情報を得た日本政府が総理官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したのが午後3時、会談は3時20分まででしたから、真っ最中に情報が飛び込んできたことになります。


状況としては出来過ぎです。