中国地方に台風10号が直撃し、西日本の広い範囲が強風域に入っている中での終戦74年目です。
いかがおすごしでしょう?
こちら湿度は高めですが、気温が少し低めで比較的過ごしやすい感じです。
さて。日本で戦後74年ということは、お隣韓国さんでは光復とかいう日にあたります。
ムンさんの記念式典での演説が全文ハンギョレさんで公開されていましたので、ざっと読んでみました。
以下、本記事で取り上げる和訳は一部抜粋ですが、上記リンクから全文閲覧可能です。
<第74周年光復節慶祝式祝辞> (前略) 「誰も揺るがすことが出来ない国*1」、外勢の侵略と支配から脱した新生独立国家が持つべき当然の夢でした。 (中略) しかし、「誰も揺るがすことが出来ない国」はまだ満たされていません。 まだ私たちは十分に強くないためであり、まだ私たちが分断されているからです。 (中略) 光復は私たちにだけ嬉しい日ではなかった。 日清戦争と日露戦争、満州事変と日中戦争、太平洋戦争まで60年以上の長い戦争が終わった日であり、東アジアの光復の日でした。 日本の国民も軍国主義の抑圧から脱し、侵略戦争から開放されました。 私たちは過去にとどまらず日本との安全保障・経済協力を続けてきました。 日本と一緒に日本植民地時代の被害者の苦痛を実質的に治療し、歴史を鑑みしっかり手をつなごうという立場を堅持してきました。 過去を反省することは、過去にしがみつくことではなく過去を乗り越え、未来に行くことです。 日本が隣国に不幸を与えた過去を反省する中で、東アジアの平和と繁栄を一緒に引っ張っていくことを私たちは願います。 (中略) 先に成長した国が追いつく成長をする国のハシゴを蹴ってはなりません。 今でも日本が対話と協力の道に出るのなら私たちは喜んで受け入れます。 (中略) 私は今日「誰も揺るがすことが出来ない国」、私たちが作りたい「新しい韓半島」のために3つの目標を提示します。 まず、責任ある経済大国に、自由貿易の秩序を守って東アジアの平等な協力を引き出すよう努めます。 私たち国民が奇跡のように成し遂げた経済発展の成果と底力は分け与えることはあっても奪われることはありません。 (中略) 私たちは経済力にふさわしい責任を持って、より大きく協力して、より広く開放して隣国と成長します。 (中略) 第二に、大陸と海洋を合わせながら平和と繁栄をリードする橋国になろうとします。 (中略) 韓半島は大陸でも、海洋でも辺境であり、時には強大国の角逐場*2となりました。それは我々が経験した過去の歴史でした。 しかし、私たちが力を持てば、大陸と海洋を結ぶ国、北東アジアの平和と繁栄をリードする国になることができます。 (中略) もはや他人に振り回されずに主導していくには明確な目標が必要です。 第三に、平和で繁栄をなす平和経済を構築し、統一による光復の管制を目指します。 分断体制を克服して民族のエネルギーを将来の繁栄の動力として昇華する必要があります。 (中略) 平和経済に私たちが持っているすべてのものを注ぎ込んで「新しい韓半島」の扉を開きましょう。 南北が手を繋いで韓半島の運命を手動する意志を持っていれば可能です。 分断を克服するとき初めて、私たちの光復は完成され、「誰も揺るがすことが出来ない国」になるでしょう。 (中略) 私たちの力で分断に勝ち、平和と統一への道、責任ある経済大国への近道です。 私たちが日本を超える道であり、日本を東アジア協力の秩序に導く道です。 (後略)
日本に関連しそうな部分だったり、ムンさんの韓国の「自己評価」的な部分をいくつかピックアップしてみましたが…とにかく長いです。
まとめると、日本に関しては
「日本が悪い」
日本非難をトーンダウン?とんでもない。言い方を色々変えていますが、相変わらずこれが核心です。
「東アジアの平和繁栄を阻害しているのは日本」これが既定路線であり、「過去に固執しているのは日本」であり、「対話を拒否しているのは日本」なわけです。
そのくせ韓国は「日本を超える」としています。
日本に関連した部分を読んでいると、韓国の主張はすなわち 「先に成長した日本は韓国へのハシゴ(配慮)を外してはいけない。日本は韓国への対話と協力を申し出なければならない。そうすれば我々は喜んで受け入れ、日本を超えていく」 つまり 韓国が日本を超えるために、日本は自ら進んで喜んで協力しなければならない。
極端な話、こう読み取れます。
これが韓国の言う「東アジアの平和と繁栄」なんですかね。
「私たちは経済力にふさわしい責任を持って、より大きく協力して、より広く開放して隣国と成長します。」とありますが、ここで述べている「隣国」は「北朝鮮」と読み換えた方が無理なく通じそうです。
「日本の国民も軍国主義の抑圧から脱し、侵略戦争から開放されました。」、これは個人的に一番気持ち悪かった言葉です。
他所様の国の大統領の演説ですから、何を言おうが基本的には勝手にどうぞ、と思っているのですが、同時にそれは「人の国のことを勝手に決めるな」ということでもあります。
韓国における「光復」の定義を日本に押し付けるのは止めて頂きたい。