「韓国なんて要らない」という特集記事で批判が殺到(?)しているらしい週刊ポストを読みました。
普段、週刊誌なんて読まないし買わないんですけどね、過激な特集タイトルの割に記事の内容は「まとも」と小耳に挟んだもので。
結論から言いますと、至極まっとうな記事です。
これが差別的なら、普段「福島の水産物は放射能汚染されている」だとか「旭日旗は戦犯旗」だとか「戦犯である安倍首相の祖父*1」だとか報じている韓国紙(not 週刊誌)の方がよほど差別的ですよ。
まず、冒頭に特集記事の要件定義があります。
日韓両国に断絶が発生した場合、安全保障上の脅威、経済的・文化的損失が間違いなく発生するであろうことをデメリットとしてあげ、その上で
ただ、そうした損失やリスクは、どれほどのものなのか。誠意を持って韓国と付き合おうとうする際につきまとう膨大なコストと、ここで一度、冷静に天秤にかけて比べてみたい。
としています。
基本的に「韓国は損切り対象」と考えている私の認識に合致する主旨の記事であります。
記事は二段構成になっており、パート1では両国の関係が切れた場合どうなるかを①軍事②経済③スポーツ④観光⑤芸能の5つの観点で見ています。
①軍事
今話題のGSOMIA破棄は、日本より韓国にとって不利だろう、という見方です。
韓国は自前のミサイル防衛システムを持っていないことと、以前ここでも触れた情報収集衛星を持っていないことがその理由に上げられています。
②経済
韓国の貿易依存度の高さと日本製品の代替えが難しいことに触れています。
③スポーツ
東京2020を韓国がボイコットした場合、メダルが期待される種目が韓国と日本とでかぶっている場合、日本のメダル獲得チャンスが増える、としています。
④観光
韓国人観光客の訪日時の支出が中国人、米国人などと比較して少額であることに触れています。
また、近年中国人観光客の人数が韓国人観光客を上回り、更にはベトナムなどの東南アジアからの訪日客が大幅増加していることをを伝えた上で、訪日韓国人が減っても大勢に影響はない、としています。
韓国最大手の旅行代理店が日本人観光客の減少により、今年上半期の営業利益が25%減益となったことから、困るのは日本より韓国、との見方です。
⑤芸能
韓国の国内音楽市場は日本の1/6程度であり、韓流コンテンツは輸出ありきでなければビジネスとして成り立たたず、2015年頃から続いている中国の韓流コンテンツの制限と同じようなことが日本国内で起こった場合、韓国芸能界にとって脅威となるのは間違いない、としています。
で、①〜⑤より導き出された結論が 「韓国なんて要らない」 になっているわけです。
結論部分こそ記者(雑誌)の主観的意見ですが、その判断の材料となった部分は基本的に事実と専門家の意見に基づいて書かれています。
パート2では 「怒りを抑えられない『韓国人という病理』」 という見出しになっています。
副題に 「10人に1人は治療が必要」 としており、この表現を「差別的」と思われた人が多くいるのではないでしょうか。
ですがこの記述は 「大韓神経精神医学会」という韓国の組織が2015年に発表したレポートを中央日報が報じた記事に由来したものです。
韓国成人の半分以上が憤怒調節に困難を感じており、10人に1人は治療が必要なほどの高危険群である
との記事が過去に掲載されており、そこから取られたものです。
記事の中身は、憤怒調節障害についての解説と、それにより起こったとされる事件の概要の説明、更に「火病」について、日本(主にネット界隈)で韓国人特有の激情的な言動のことを指すとされるが、それは誤解である旨が丁寧に解説されています。
※過去には米精神医学会の診断基準を示すマニュアルに正式に登録されていたが、最新版では削除されていること、激情的になるのではなく長期間怒りや恨みを抱え続けた結果、身体に影響が出る(不定愁訴)こと、進行するとうつ病やパニック障害や適応障害になることがあることなどが解説されている。
こちらもやはり事実に基づいた内容です。
朝日新聞などは「10人に1人は治療が必要」との見出しに文句を付けていましたが、この見出し語が中央日報からの引用であることには(卑怯にも)触れていません。
この見出しに問題があるというのなら、中央日報こそが責められるべきでしょうに。
韓国側でも批判記事があがっていましたが、雑誌記事の内容にはほぼ言及していません。
謝罪文は載せたが書籍の回収はしない、とか以前に新潮が性的マイノリティについての記事に対する批判を受けて取った対応*2と比較したり(全く別のケースなのに…)、日本のマスコミも批判している、といった内容です。
韓国側の批判記事もそうですし、SNS等で批判している人もそうなのですが、本当に記事を読んだんでしょうか?
批判意見の中には、「日本が韓国に対してネガティブなことを言うなんてケシカラン」という本音が透けて見えるような気がします。