イベント商戦の度に不買運動で大騒ぎしそうな韓国さんの話

さて、昨日11月11日は某マリモ剣士の誕生日ポッキー&プリッツの日でした。江崎グリコさんの商品ですね、知らない人はまず居ないでしょうから説明は不要かと思います。

お隣の韓国さんでは同日を「ペペロデー(빼빼로데이)」と呼びます。ロッテさんが販売しているポッキーそっくりのお菓子「ペペロ(빼빼로)」の日です。
※ポッキーの発売は1966年、ペペロの発売は1983年。意味は分かりますよね?

ペペロデーは1993年に始まったそうでポッキーの日より先です。
真似たのかどうかは知りませんが、ポッキーの日が日本で始まったのは平成11年11月11日と、1が6つ並んだ日を狙っています。ちなみに、中国ではこの日は「独身の日」でアリババがセールをやります。


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画像はペペロ(下段)とポッキー(上段)です。

私はポッキー&プリッツの日にわざわざ狙って食べるような事をしたことがないので、世間的にどの程度盛り上がっているものか知らないのですが、韓国ではペペロの1年の販売量の60〜70%がペペロデー前後に売れると言われているほど盛況だそうです。


前述の通り、ペペロは韓国(ロッテ)のお菓子ですし、ペペロデーも韓国で始まったものです。
ところが何故か日本製品ボイコットの影響についての報道が出ていました。


関連記事を2本ほど紹介します。

まず聯合ニュースの記事からです。

「ノー・ジャパン」にもペペロデー特需相次ぎ...チョコレート・キャンディーなど人気


日本商品の不買運動の影響で、11日の「ペペロデー」にも棒状のお菓子のペペロの代わりにチョコレートやキャンディー、ゼリーを探して手を伸ばすのが増えている。

(中略)
コンビニエンスストアではペペロデーがバレンタインデーなどと同じく、年中の売上高が最も高い日の一つに数えられるほどで、店主の立場ではこの日の「特需」を逃すのは難しい状況である。

実際、GS25によると今月1日から10日までのペペロデー関連商品の売上高は、前年同期比4.3%増加した。

特に今年はペペロよりチョコレートやキャンディー、ゼリー類を探している人が多かった。

昨年まではロッテ製菓の「ペペロ」と形が似ている日本グリコ社の「ポッキー」が多く出たが、今年は日本不買運動の影響で店頭で「ポッキー」をほとんど扱っていないからだ。

今年はペペロのような棒状のお菓子の商品群の売上高は昨年より36%減少したが、チョコレートやキャンディー、ゼリー類は84.8%も伸びた。


聯合ニュース「'노재팬'에도 빼빼로데이 특수 이어지나..초콜릿·사탕 등 인기(「ノー・ジャパン」にもペペロデー特需相次ぎ...チョコレート・キャンディーなど人気)より


韓国語では「特需」と「特殊」がどちらも「특수(テクス)」になるのですが、内容的に「特需」の意味だと思われるのでそちらで訳しています。

日本不買運動の影響で「ポッキー」が店頭に無いから、その分のお客さんがチョコやゼリーなどの他商品に流れたというのが記事における「特需」の意味です。

それは良いのですが、結果的に日本製品ボイコットを進めれば進めるほど「こんなところにまで日本の影」と、杯中の蛇影のように神経過敏になっているようです。
イベント商戦の度に繰り返すつもりでしょうか、すごく疲れそうです。


次にイーデイリーの記事から。こちらには、ペペロデーが日本不買運動の対象になる理由について妙な記述があります。

冷めた反応のペペロデー...むしろより多く売れた


最近、日本不買運動でペペロデーへの関心が低下するとの見通しが無色になった。むしろ昨年より販売が増えたからである。
(中略)
業界ではペペロデーを迎えた曜日が売上高上昇の最大の要因だと分析した。過去2017年と2018年のペペロデーは週末だった。しかし、今年は3年ぶりの平日だけに相対的に売上が上がったということだ。更に、昨年は微細粉塵がひどかったという影響もあった。

ペペロがボイコットの直撃弾を受けるロッテの製品であるという点で不買運動が起きないかという見通しが出たのも事実だ。GS25が「ペペロデー」の代わりに「もう一つの日*1」という名称を打ち出しとことも、このためであった。

しかし、事件事故を繰り返して不買運動が着実に行われているユニクロなどと違い、ペペロを生産するロッテ製菓やペペロ自体に対する拒否感は相対的に低い方で、大きな打撃が無かったというのが業界の分析だ。
(中略)
業界関係者は「販売量増加傾向を見るに不買運動の影響を受けたとするのは難しいようだ」とし「ペペロ自体が日本製品ではなく、大きなお金を掛けなくてもよい記念日ということなどが反映されたようだ」とと話した。

イーデイリー시큰둥하다던 빼빼로데이..오히려 더 많이 팔렸다(冷めた反応のペペロデー...むしろより多く売れた)より


そもそもロッテが不買運動対象ってどういうことだってばよ?という感じですが…。

記事のコメント欄にネスレのチョコレートを輸入しているので日本産、ロッテのお菓子に使用されるチョコレートは全て日本産と見れば良いといった趣旨のコメントが書き込まれていて、結構な数(1000件ちょっと)の「いいね」を得ていました。

敵と味方に分けて敵を責めている、というより、自分たちの中に敵の影を見て勝手に騒いでいる、という印象を受けます。端から見ている分にはただの内輪揉めです。


ちなみにネスレジャパンは日本法人ですが、ネスレの本体はスイスの会社です。
コメント欄で言っているようなことまで考慮して不買運動をするのであれば、現在、日常的に享受している消費生活は捨てて、自給自足で生きていくくらいの覚悟が必要だと思うんですけどね。


*1:原文「하나더데이(ハナドデー)」。