ムンさんが遅すぎる新年辞を発表した話

お正月気分もとっくに抜けた今頃になって、文在寅大統領が新年辞を発表しました。
もうメチャクチャ長くて、その割に中身は薄い印象です。

全体的に「去年はこういうことをしました。その結果、こんな成果が出ました。今年はより頑張ります」という流れです。
これを雇用、経済、福祉などの諸分野についてチンタラ 長々と語られています。

ここから何を読み取るかは人によって違いますので、全文訳して載せようかと思ったのですが、長すぎてムリです。心が折れました。

ただ、これだけは指摘しておきます。

北朝鮮の核や挑発行為については、一言も述べられていません。

「平和」や「安全」について強調しているのに、「北の核の脅威」については丸っとスルーされています。
北の核は韓国にとってもはや脅威ではない、ということでしょうか?


ペンアンドマイクの記事がツッコミをいれていました。
非核化だけでなく、経済についても「自画自賛」となかなか辛辣です。
※リンク先の記事に新年辞の全文が掲載されていますが、記事も新年辞も相当長いので覚悟して下さい。

北、非核化丸ごと落ち「対北協力・・平和経済」云々言った文の遅れた新年辞…「手前味噌と詭弁一色」


文在寅大統領は7日、遅れた新年の辞を通じて「正義で安全な、より平和で幸せな『国らしい国』を作るという国民の峻厳な命令によって我が政府は果敢な変化を選択しました」とし「 経済と社会構造の根本的変化と改革で、私たちの社会にはびこった不正と特権を精算し、不平等と二極化を克服するために揺れずに努力してきました」と自画自賛した。

(中略)

文大統領は最近、悪化の一途を辿っている南北関係は全く考慮していないようで「平和」だけを強調して「非核化」は一切言及しなかった。実現の可能性がゼロに近い2032年のオリンピックの南北共同開催と金正恩のソウル返答訪問云々も漏らさなかった。

(中略)

文大統領は「平和を介して私たちが行こうとしている道は『平和経済』」とし「平和経済は分断がもはや平和と繁栄の障害にならない時代を作り、南北の両方が周辺国と共に繁栄するだろう」とした。

(中略)

文大統領は「爆死*1」と言っても過言ではない最悪の経済状況も自分だけの「幸せ回路」を稼働して肯定的に評価した。文大統領は「昨年、私たちは『共生の力』を確認した。日本の輸出規制措置に対応して核心素材・部品・機器の国産化に企業や労働界、政府と国民が一緒に力を集めた」とし「『誰も揺るがすことが出来ない国』という目標に全国民が団結した。数十年の間、なかったことだったが、わずか半年で意味のある成果を成し遂げた」と述べた。

(中略)

一方、文大統領はこの日、6・25戦争*2の70周年だけ除いたまま、臨時政府樹立100年に、4・19革命60周年、5・18民主化運動40周年を加えて、いわゆるキャンドル精神まで言及して理念の偏向性を表した。

(後略)

ペンアンドマイク「北비핵화 통째로 빠지고 "對北협력-평화경제" 운운한 文의 뒤늦은 신년사...'자화자찬과 궤변' 일색(北、非核化丸ごと落ち「対北協力・・平和経済」云々言った文の遅れた新年辞…「手前味噌と詭弁一色」)」より


「6・25戦争だけ抜いた理念の偏向」というのは新年辞の中に

3・1独立運動と臨時政府樹立100年の意味深い年を送り、今年「4・19革命60周年」と「5・18民主化運動40周年」を迎え、3年前、キャンドルを持って民主共和国を守った崇高な精神を振り返ります。

という表現があるので、ここのことだと思われます。


ムンさんの新年辞が遅れたのは北の新年辞で韓国についての言及が無かったのを受けて修正する必要があったのではないかしらん?と勝手に邪推しています。


ところで、韓国の憲法では北朝鮮を正式に「国家」とは認めていません。
にも関わらず、ムンさんの言い様では、まるで「北と南がそれぞれ独立国家とし共生していこう」と言っているように聞こえます。
政府(大統領)の方針が憲法と一致していないというのは良いのでしょうか?


*1:原文:「폭망(ポクマン)」。回復不能なほど完全に失敗すること。

*2:朝鮮戦争