武漢への韓国チャーター便が遅れているのは日本のせい、な話

武漢からの帰国希望者を載せたチャーター便で、新型コロナウィルスの無症状感染者が出たそうで、まだまだ影響が拡大しそうです。
オーストラリアでは武漢からの帰国者を潜伏期間である14日間、離島に隔離する、なんて大胆な案も取り沙汰されているとか。

英語で伝染病予防のための「隔離、検疫」を「quarantine」といいます。
イタリア語の「40」が語源なんですが、欧州でペストが大流行したときにヴェネチアに到着した船を沖合で40日間停泊させた(感染者が出ないか観察した)ことが由来になっています。

それを彷彿とさせるような案なのですが、オーストラリアだけでなくカナダでも隔離の必要性が一般から出ているようですし、フランスではアジア系という理由で避けられたりサービスを拒否されたりするようです。
ペストが大流行したときに人口の6割が犠牲になったと言いますから、そのときの恐怖が染み付いているのかもしれません。

その点、日本は疫病による人口激減を経験していないためか緩いですね、検疫拒否できるとか症状出てなかったら帰っていいとか。
まあ、でもチャーター機を手配しただけ今までよりずっとマシだと思います。


他国もぞくぞくとチャーター機の手配を進めているようですが、韓国は日米に比べるとちょっと遅れていて、31日の予定だそうです。
その件で、韓国メディアの記事に「遅れたのは日米のせい」と言いたいかのような記事が載っていました。


日本「日・米からチャーター便発着..中国が重視する国」


新型ウィルス感染症の発源地である中国武漢に滞在していた外国人のうち、アメリカ人と日本人が先にチャーター機で帰国したこととと関連して、日本の安倍晋三政権の幹部が日米両国への中国の外交的配慮に基づく措置とした。

30日、朝日新聞の報道によるとこの幹部は「まず、米国と日本が(チャーター)発着の分け前を割り当てた」とし「中国がどの国を重視しているか知ることができる」と述べた。中国が外交的に重視する米国と日本を先に配慮して封鎖状態である武漢に滞在する自国民を本国に移送するチャーター機の離着陸を許可したという説明だ。

(中略)

安倍首相は26日、武官居住の日本人の帰国希望者移送のために航空機を派遣する方針を発表したが、当時の中国との教義が終わっていない状況であったとする。

(中略)

しかし、茂木敏充日本外相と王毅中国国務委員兼外交部長との電話会談が27日夜に予定よりも前倒しで実施され、中国との協議が速まったと新聞は付け加えた。

一方、武漢滞在の韓国人を国内に移送するために私たちの政府が用意したチャーター機は、当初の予定よりもやや遅れて30日の夜武漢を出発する可能性が大きいことが分かった。

聯合ニュース「일본 "미·일부터 전세기 발착..중국이 중시하는 나라"( 日本「日・米からチャーター便発着..中国が重視する国」)より一部抜粋


韓国らしい視点の記事だな、と思います。

他ソースによると、予定では韓国のチャーター機は30日午後3時と5時の予定だったのが、31日の午前3時頃に変更になったそうです。
理由は明らかにされていませんが「中国側が急に運行許可を遅延させた」としています。


この記事がアップされる数十分前に韓国政府の対応記者会見の記事がアップされています。
その中で記者から、「チャーター機の運行が遅れた理由」を問われ、カン・ギョンファさんは次のように答えています。

ご存知のように武漢市内には700人余りの在外国民がいるため、当初は2台それぞれ2運行ずつ2日間、4編を通じて帰国させる案を推進してきましたけれども、昨日夜、中国がまず1台のみ運用を承認する予定である、このように通知を受けました。
そのため通知後、本日中に1台、まず運用することができるように中国側と協議しています。

中国側は米国、または日本の多数のフライトリクエストがあるので、まず1台を許可して順次要求を受ける方針で運営しているようです。

聯合ニュース「[현장연결] 정부 "중국 측, 우한 전세기 1대 운영 승인"より一部抜粋


この2本の記事が連続して同時間帯にアップされています。

日本と米国が複数のフライトを計画要求→そのせいで他国は1台ずつしか許可が出ない→日本(メディア)「中国は日米を重視」

もう意図が見え見えというか…案の定、コメント欄は日本バッシングです。

なにが重要だと?だから韓国は無視するといいたいのか?
この渦中に精神勝利魔はやめろ。アメーバめ!虫ケラ並みかと


韓国の対応が遅れているのは、外交的配慮云々が全く無いとは言わないけれど、実務者レベルの対応速度ってのもあるはずでしょうに。