ペットへのコロナウィルスの感染は確認されていない話

香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストなどが28日、感染確定患者の飼い犬から弱いウィルス陽性反応が出た、とする香港農林水産環境局の検査結果を報道しているそうです。

が、現時点で、WHOや多くの専門家は、ペットに感染する証拠はないという見解です。
また、人獣感染も確認されていません。

香港の検査結果についても、飼い犬にCOVID-19の症状は出ておらず、実際の感染とは見られていないようです。

日本のメディアで取り上げているのは見なかったのですが、韓国メディアによると、恐らくワンコ自体の感染ではなく、飼い主のクシャミや咳の飛沫から付着したものか、もしくは偽陽性だろう、ということです。

仮に飛沫によりウィルスが付着していた場合は、ワンコには一切の症状がなくても、同居の家族が触れることで接触感染を引き起こす可能性が高いので要注意です。

偽陽性というのは、本当は陰性なのに誤って陽性と判定されることです。
検査は100%ではないので、そうした誤判定はありえます。


今回の2019-nCoV(新型コロナウィルスの正式名称)では、連日ニュースで報道されているのでPCR検査というのが使われていることは耳タコでご存知と思いますが、このPCR検査は微量のウィルスの遺伝子を人工的に増幅させる手法です。

2019-nCoVの遺伝子解析は既に終わっていますので、特有で持っているDNA配列をターゲットにして人為的に「増やす」ことで微量でも検出できるようにする、と。簡単に言ってしまうとそうした方法だそうです。


ですが、もし検査用の検体にたまたまウィルスが付着していなかったら、増やそうにも増やせないので「陰性」と判断されてしまいます。(一度、陰性と判断された人が後に陽性になったりするのはそうした可能性が考えられます)


2019-nCoVの検査キットの精度は、どうやら公表されていないようですが、仮に99%であったとしても単純に100人検査すれば1人は誤判定があり得るということです。95%なら5人を取りこぼすことになります。

陽性の場合は、間違いが無いか再検査を行うらしいのですが、陰性の場合はそういうことはしないようです。
でも本当は陽性なのに陰性と判定された偽陰性のケースが感染を拡大させる要因です。
検査人数の母数が多くなれば多くなるほど、取りこぼす偽陰性の人数も当然増えるはずです。


検査人数とか検査体制とか、まあ確かに不手際がありますけれども、検査出来ていれば万全ってわけじゃないってことを知っておかないといけません。