韓国型ジェノフォビア?の話

どんなコミュニティにおいても集団の「外側」に居る人、あるいは「外側」からやってきた人たちに対する排斥感情、そこから派生した差別・嫌悪感情というものは必ずあります。程度の差こそあれ。

ジェノフォビアと言います。最近では、「外国人嫌悪症」や「外国人恐怖症」と呼ばれたりしますが、本来は外国人に限定されたものではなく、集団から「よそもの」を排斥しようとしたり、嫌悪することを言います。

どんな国にもあるので、韓国に限った話ではないのですが、記事が「韓国型ジェノフォビア」としているのでそれに習います。

韓国では特に「犯罪者」に対する反応を見ると顕著で、韓国メディア世界日報によると、ポータルサイトに上がった記事で加害者が外国人だった場合に寄せられたコメントを分析した結果、加害者が中・日=加害者に対し否定的、加害者が欧米=被害者に対し否定的という傾向が見られたそうです。


世界日報の記事からです。

「チャン○・サル」中・日に敵意..米国民の犯罪は被害者を非難【韓国型外国人嫌悪レポート】


(前略)

差別と憎悪という反人権的単語の組み合わせは、ここ数年、新たに私たちの周りで急速に広がっている。憎悪はどのように私たちの日常になったのだろうか。世界日報はネイバー・ダウムに掲載された記事のコメントやソーシャルネットワークサービス(SNS)スレッドのビッグデータ分析と情報公開請求、外国人アンケート調査などを通じて、私たちの中に蔓延する差別嫌悪の実体を見てみた。恥ずかしいが否定することはできない、私たちの二重性である。

(中略)

大韓民国でのジェノフォビアは国籍や人種、肌の色に応じて「質」が違った。特にアジア諸国でありながら、同じアジアの国をひときわ嫌悪した。歴史的関係が絡み合っている中国と日本に対する毛のはすでに危険水位を越えて久しい。一方、米国をはじめとする北米、欧州諸国などには比較的寛大な姿を見せた。全世界に拡がっているジェノフォビアが韓国で独自の形で示されているわけだ。「コリアン・レイファシズム(韓国型人種差別)」と呼ばれるほどの状況である。
(中略)

2016年1月1日から2020年2月20日までに掲載された朝鮮族関連の犯罪記事の平均「除外キーワード」件数は167.4件に達した。朝鮮族の犯罪記事一件に付いたコメントに167個以上の否定的な言葉が含まれていたという意味である。

朝鮮族に続いて日本人85.3件、中国人49.4件、ベトナム、タイ、ウズベキスタンの51.4件、在韓米軍40.3件、アメリカ16.2件の順だった。朝鮮族と中国人を合わせた場合にも、平均76.8件の除外キーワードが付いた。似たようなタイプの犯罪記事であっても、加害者が朝鮮族である場合、アメリカ人であるよりも10倍以上の除外キーワードが付いたわけだ。

コメントの嫌悪レベルも違った。朝鮮族関連の記事のコメントは「チャン○、すべて追放しろ」、「ゴミのような中国の○が韓国で大手を振る。死刑にしろ」、〜(中略)〜などの露骨な嫌悪が溢れた。
日本人関連の記事へのコメントも嫌悪一色だった。日本人の犯罪記事には「サル」、「チョッ○」、「ウェノム*1などの特定の単語が高頻度で使用された。
(中略)

一方、アメリカ人関連の記事にはコメントの傾向が異なって現れた。国・人種の全体的な嫌悪よりも個人的な行動に対する非難が多かった。 特に性的暴行やセクハラなどの記事には「神ヤンナム*2がそんなはずありますか?92年生まれのブタ・ジヨン*3の妄想だろ」のように、むしろ被害者である女性を嫌悪している場合も多かった。

韓国在住の割合が高いベトナム、タイ、ウズベキスタン関連のコメントでは嫌悪と軽蔑が混在しているのが分かった。

(中略)

コメントに込められた感情を定量化するために2万6980件すべてを「KOSAC」感情語辞書を使用して分析した結果も違いを見せた。KOSACはソウル大学で作成された韓国語の感性分析システムである。分析によると、アメリカ人の犯罪の記事に付いたコメントは全体の語彙の41%が除外キーワードであるのに対し、朝鮮族と日本人関連の記事は除外キーワードの割合がそれぞれ47、48%に達した。 「国」、「国家」、「人」などの価値中立語を排除する場合は、このような差はさらに大きく拡がるという分析だ。

(中略)

コメントの中で「米国人」という単語と最も多く使われた語彙は「外国人」である。〜(中略)〜
「在韓米軍」の最多関連語は「撤収」だった。〜(中略)〜
朝鮮族と中国人、日本人の関連語は否定の強度が強くなった。朝鮮族の場合、最も高い頻度で現れた関連語は「追放」だった。 〜(中略)〜
日本人と関連する単語には嫌韓、処罰、用心、脅迫、ゴミ、クソ豚、竹槍、誤り、周辺などが一緒に使用される場合が多かった。
(後略)

世界日報「'짱X·원숭이' 中·日에 적개심.. 미국인 범죄는 피해자 비난 [한국형 외국인 혐오 보고서](「チャン○・サル」中・日に敵意..米国民の犯罪は被害者を非難【韓国型外国人嫌悪レポート】)」より一部抜粋


長ったらしくグチャグチャと書いていますが、今までなんとなく「肌」で感じていた韓国のネットに溢れている差別的な言動、それも特定の国や地域に対する過敏な反応を数値化して確認してみたよ、とそういう内容です。


ここまで差が顕著に出るかどうかはともかく、世界的に見ても物理的距離が近い国はあまり仲がヨロシクない場合が多いです。
多くは歴史的な軋轢を抱えているからで、事情は大体似ています。近い分、情報も人の行き来も発生しやすいですからね、どうしても目に付くんですね。


韓国のポータルサイトのコメントは、日本のYahoo!などよりも2ch寄りの色彩が濃い気がします。
そのため煽りやネタや様式美で書き込まれたものも多く、現実社会を必ずしも反映しているとは限りませんので、そこは注意です。


*1:原文「왜놈」。日本に対する蔑称。G○○gle翻訳に入れるとご丁寧にも「日本人」と訳してくれる。けれど、本当は「倭奴」と書き、「日本のヤロー」くらいの意味で、肯定的な場面ではまず使われない。

*2:西洋の男性

*3:元ネタは「82年生まれ、キム・ギヨン(82년생 김지영)」という書籍のタイトル。