浴槽入浴は健康に良いという話

日本ではヒートショックで亡くなる人は交通事故で亡くなる人より多いとされています。充分注意は必要ですけれども、それでもやっぱりお風呂に肩まで浸かるのは健康に良いようです。

入浴習慣によって疾患リスクが下がるという調査結果がthe journal Heartに掲載されました。
日本人の成人を対象とした観察研究で、浴槽に浸かる入浴習慣の頻度によるリスク変化を測定しています。

毎日入浴する人は、週1〜2回入浴の人と比べて心疾患のリスクが28%、脳卒中のリスクが26%低減すると報告されています。
浴槽入浴は血圧を下げ心拍出量を改善すると言われているので、日本人に多い「肩までつかる」によって、心臓より上にお湯がくる事でよりメリットがあるのかもしれません。


心疾患の病歴の無い日本人(40〜59歳)3万76人を対象に1990〜2009年までの19年間の追跡調査が行われました。
調査対象者は入浴頻度により「週1回未満」「週1〜2回」「ほぼ毎日」「毎日」の4グループに分けられ、その他に喫煙、運動習慣、アルコール摂取量、労働環境、平均睡眠時間などの情報をアンケートで集めています。
入浴頻度が最も多かったのは「ほぼ毎日」で、全体の71.9%です。
入浴頻度が下がるほど、野菜、果物、魚の摂取量が下がる傾向にあったそうですが、これは家族構成によるライフスタイルの差かもしれません。(単身者なら、浴槽入浴ではなくシャワー、かつ自炊をしない、という可能性)


参加者3万人のうち、循環器系の疾患に罹ったのは2,097人、このうち心筋梗塞が275人、急性心臓死が53人。
脳卒中は1769人、このうち脳梗塞が991人、脳内出血が510人、クモ膜下出血が255人。

心疾患と脳卒中に関しては、入浴頻度とリスクとの間に逆相関の傾向が見られたそうですが、急性心臓死のリスクとは関係がなさそうです。冬場になると騒がれるヒートショックも急性心臓死の一種ですね。


身体を温めるのは免疫力アップに繋がりますし、睡眠の質の向上にも繋がります。質の良い睡眠は体調管理の基本です。

お守り程度の免疫アップ効果かもしれませんが、コロナで大変な時ですから入浴習慣を見直してみるのも良いかもしれません。

ただし、43度以上の熱すぎるお湯は逆効果になる可能性があります。38〜40度くらいの気持ち温めのお湯に10〜20程度浸かるのが一番良いようです。