ベトナム人遺族による賠償訴訟の話

ベトナム戦争当時の韓国軍による「虐殺」を認めるよう、韓国政府を相手取った国家賠償請求が、虐殺被害家族の遺族によって提起されました。


聯合ニュースの記事からです。

[インタビュー]韓国相手に賠償請求を提起したベトナム人「虐殺認めろ」


「私たちの村では家族や近所の人など74人が死に、数十人が負傷しました。韓国政府と韓国軍が(民間人)虐殺を認め謝罪してください」

ベトナム戦当時、パウエル韓国軍によって家族が虐殺されたとし、21日に韓国政府を相手に初めて国家賠償訴訟を提起したベトナム人、グエン・ティー・タイン(60:女)さんが23日、聯合ニュースの特派員との電話通話で出た言葉だ。
今回の訴訟は民主社会のための弁護士会傘下のベトナム戦争当時、韓国軍による民間人虐殺の真相究明のためのタスクフォース(TF)が代理で行った。

タインさんは8歳だった1968年2月12日、ベトナム中部のクアンナム省ティエンバン県の村で、韓国軍が撃った銃弾で母と兄妹2人を失い、本人と兄も負傷したと主張した。
韓国政府はベトナム戦当時の韓国軍の民間人虐殺を正式に認めていなかったし、ベトナム政府も韓国側に謝罪を要求していない。

ただし、ムン・ジェイン大統領が2018年3月、ベトナム国賓訪問した際、ベトナム戦当時の韓国軍の参戦と民間人虐殺などの問題について遺憾の意を表したことがある。
チャン・ダイ・クアン当時ベトナム国家主席はこれに対して「ベトナム戦の過去の歴史に対する韓国政府の本気を高く評価する」とし「過去の痛みを癒やし、両国間の友好関係を強固にして共存協力を強化するために韓国政府の努力を願う」と述べた。

以下はタインさんとの一問一答。

ー 韓国政府を相手に訴訟を提起した理由は。
▲ 家族を含め、韓国軍が殺した罪のない人々の名誉のため。韓国政府と韓国軍が(民間人)虐殺を認めて謝罪してほしい。

ー どのような被害があったか。
▲ 8歳だった1968年2月12日午前8時頃に起こった。4兄妹を一人で育てていた母が仕事に行く途中、韓国軍によって死亡した。4兄妹のうち、私と兄1人だけが生き残ったが両方共韓国軍が撃った銃弾で負傷した。村人74人が生命を失い、数十人が負傷した。ほとんどが戦争について全く知らないお年寄り、女性、子供であった。

ー 加害者が韓国軍というのはどのようにして分かったか。
▲ 身なりとヘルメットを見て分かるようになった。当時、韓国軍が何人来たのかは正確には分からないが、多かった。なぜそのように虐殺が行われたのか全く理解できない。

ー 今になって訴訟を提起した理由は。
▲ 家族を失い、村人が虐殺された場面が忘れられない。

ー 望む賠償は。
▲ 韓国政府と韓国軍が虐殺事件を認めれ謝罪すれば良い。韓国政府が賠償したら受け入れるが、金銭的な賠償は要求しない。

聯合ニュース「[인터뷰] 한국 상대 배상소송 제기한 베트남인 "학살 인정하라"([インタビュー]韓国相手に賠償請求を提起したベトナム人「虐殺認めろ」)」より


安易に日本との間の慰安婦問題や徴用問題と絡めて考えるのはNGではありますが、少し大きな視点…戦後賠償問題という次元を離れて、韓国がよく言う「普遍的な人権問題」という視点に合わせれば似たようなテーマとして扱えると思います。

日本相手に声高に「法的な罪状認定」「謝罪」「賠償」を求めているだけに、韓国司法の今後の動きが気になります。