G7をG11に拡大する?話

トランプさんがG7サミットを9月に延期して、韓国、オーストラリア、ロシア、インドの4カ国を追加しようぜ、と言い出したことを受けて、「G11誕生か」と韓国メディアで報じられています。


G7は日本語で主に「主要七カ国」と呼ばれます。英語では「Group of seven」。
韓国内の定義では「先進国クラブ」です。ここに入れば誰もが認める先進国、とても魅力的な席です。


聯合ニュースの記事からです。

トランプ、G7+4サミット提案..韓国含むG11誕生か


ドナルド・トランプ米国大統領が30日(現地時間)、今年予定されている主要7カ国(G7)首脳会議に韓国を含めた4カ国を追加で招待しようという立場を明らかにし、背景に関心が集まっている。

トランプ大統領はこの日、記者たちと会って既存のG7のほか、韓国とオーストラリア、ロシア、インドを追加した11カ国の首脳が参加する国際会議を開催したいという意思を表明した。(中略)
最高の先進国クラブと呼ばれるG7は、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本などの7カ国をいう。

(中略)

G7は毎年持ち回りで務める議長国がサミットに非加盟国を招待することが出来るため、トランプ大統領の今回の招待発言も、こうした延長上で行われた可能性がある。
しかし、トランプ大統領が国際秩序の刷新という次元でG7を置き換える他の先進国クラブの発足を念頭に置いたり、そうした本音をそれとなく匂わせたのではないかという解釈も出ている。

トランプ大統領がG7拡大の必要性を取り上げたのは、大きく二つの理由からだ。既存のG7体制が非常に旧式の国の集まりという問題意識と、通常の会議参加国を拡大し、中国の問題を議論したいという理由がそれである。
(中略)
もし、トランプ大統領がG7に4カ国を追加してG11の構造にするという考えが明確になり、既存のG7加盟国の同意を得た場合、現在の主要20カ国(G20)である韓国の立場では、最高の先進国クラブに入る成果を出すことが出来ることを意味する。

(中略)

トランプ大統領は今年拡大する首脳会議について、G10またはG11と表現し追加招待を望んだ他の4カ国の指導者に概要を伝えたと明らかにしたとAFPは伝えた。
ロイター通信は、「国を追加招待したいトランプ大統領の希望がG7を恒久的に拡大しようとする努力なのかは不明である」と評価した。

聯合ニュース「트럼프, G7+4 정상회담 제안..한국 포함한 G11 탄생할까( トランプ、G7+4サミット提案..韓国含むG11誕生か)」より一部抜粋


「克日」を目指す韓国にとって、G7入りは「日本と並んだ」と胸を張って言える魅力的な地位なわけです。

ですが、韓国がこの席に座った瞬間に、中国からは非難されるでしょう。(恐らく北朝鮮からも)
どう贔屓目に見ても追加ラインナップの4カ国は地理的に中国の海洋・経済進出に対して圧力を掛けられる位置にいる国ばかりですからね。
参加するかどうかが一種の試金石になります。

韓国の自尊心をくすぐって、対中国政策を協議する「場」に韓国を引きずり出そうとしているのであれば、面白い手だなと感じます。


訳したのは聯合ニュースの韓国語版ですが、Yahoo!ニュースで配信されている日本語版の方には「日本難色で実現困難?」と、疑問符付きながら「日本のせい」で実現できないとするような翻訳記事が上がっています。

韓国にとって対中国の立場が難しい、という視点は持っているもくせに、謎タイトル記事になっています。
恐らく「きっと日本の立場であれば面白くないはずだ」という見方があるからだろうと思いますが、それは言い換えれば「韓国ならそう考える」からではないでしょうか。


個人的には韓国にはぜひ参加して欲しいと思っています。
中国(と北朝鮮)に対してどういう言い訳をするのか 立場を取るのか、興味があります。