「北に媚びるな」という話

国連事務総長潘基文(パン・ギムン)さんが、文在寅政権の対北政策を「生ぬるい(消極的)」と批判しました。日本風に言うと「弱腰対応」という感じです。

また、北の立場を「忖度」したところで、北に振り回されることにしかならない、とも忠告しています。
コレ、全くその通りだと思います。相手がどれだけ理不尽な要求を突きつけて来ても、波風を起こさないことだけを念頭に宥めて頭を下げて勘弁してもらう…そのうち、それが当たり前になってしまうでしょう。
そうなったら韓国は北の「属国」も同然です。北にとっては最も望ましい形でしょうね。


国民日報の記事からです。

パン・ギムン「ムン・ジェイン政府、焦って北韓へ媚びる態度はいけない」


国連事務総長を務めたパン・ギムン国家気候環境会議委員長が8日、ムン・ジェイン政府の対北政策と関連誌て「(北韓へ)媚びるような態度を見せてはいけない」と助言した。与党の韓米連合軍事訓練中止や在韓米軍削減の話が出てくることには「全く嘆かわしい」と強い口調で批判した。
パン委員長は国会で開かれた「グローバル外交安保フォーラム創立セミナー」に参加し、南北関係と韓米同盟に対する考えを明らかにした。彼は基調講演で「(南北関係は)相互尊重、互恵の原則が適用されなければならない。一方的に北韓の立場を理解しようと擁護するような態度を取り続けると、北韓に振り回されることにしかならない」とし「『わが民族同士』に重点を置くと、解決はますます困難になる」と指摘した。

青瓦台国家安全保障室長と国家情報院長、統一部長官が新たに指名されたことについては「良い構想だろうが、短期に(葛藤の)局面を解消しようとすると、より困難な場所に向かう」とし「早急な心を持たず、北に媚びるような態度を見せてはいけない」と忠告した。

パン委員長は北韓の南北共同連絡事務所爆破については「挑発行為を何の自責もなく強行したが、その過程で大韓民国政府が取った生ぬるい対応に失望した」と述べた。ムン・ジェイン政府による南北、北・米首脳会談などの対話努力については「表面的には十分歴史的とすることができる」としながらも、「結果的に見れば、歴代政権とは変わらない。別の見方をすれば、戦略的立地がさらに苦しくなった」と評価した。

パン委員長はまた、「かなり高位職の人々が『何があっても在韓米軍が去るはずがない』との無責任な発言をするのを見て本当に驚愕した。嘆かわしいことだ」とした。前日、チョン・セヒョン民主平和統一査問会議の首席副議長は「在韓米軍は絶対に撤収できない。撤退するその日、太平洋は中国の海になる」と述べた。

(後略)

国民日報「반기문 "문재인정부, 조급하게 북한에 구걸하지 말라"(パン・ギムン「ムン・ジェイン政府、焦って北韓へ媚びる態度はいけない」)」より一部抜粋


「구걸하다」って、辞書的には「物乞いする」という意味があるのですけれど、ちょっと日本語的にピンとくる表現ではない気がしています。あくまで個人的な感覚ですけれど。

どちらかというと「媚びへつらう」とか、そっちの方がしっくりくる気がして、文中では「媚びる態度」としました。


引用した国民日報の記事では省略されていましたが、中央日報の記事には北の核と終戦宣言についても触れられています。

曰く、北韓終戦宣言に動くはずもなく、関心がない」、「終戦宣言となっても、全てを白紙にする北の行動に照らしてみれば大きな意味がない」。

また、核については「すべての問題の根源は北韓の核にある、このような点を再確認し、北韓の完全な非核化を最終目標としなければならない」と、このような発言があったとのことです。