対北ビラ散布した脱北団体が法人資格を取り消された話

北朝鮮向けビラ散布の主催団体が告発され、資格が剥奪されるかもしれない、という報道が一月ほど前にありました。
告発された時点で資格剥奪は既に決まったもののような気がしていましたが、やっぱり確定路線だったようです。法人許可の取り消しが正式に決定されたそうです。

ところが2018年には、許可を取り消した統一部自身が「対北ビラ散布は南北協力法規制外」という答弁書を国会に提出していたことが分かりました。


朝鮮日報の記事からです。

キム・ヨジョン「ゴミ」非難、一月振りに対北ビラ団体2ヶ所、許可取り消し


統一部は17日、対北ビラと物品を散布した脱北民団体「自由北韓運動連合」と「クンセム」の2つの法人設立許可を取り消した。
統一部はこの日午後、資料を通じて「に法人の釈明内容と、関連する証拠資料などを総合的に検討した結果、民法第38条の法人設立許可取り消し事由に該当すると最終判断した」と明らかにした。

(中略)

しかし統一部は先に、北韓のキム・ヨジョン労働党第1副部長が「人間のゴミ」と対北ビラ散布を問題にすると、有権解釈を変えて法人取り消しに出たことがわかった。

チ・ソンホ未来統合党議員が入手した資料によると、統一部は2018年の国政監査当時、「対北ビラ散布は南北交流協力法の立法趣旨と法体系に照らし△南北交流協力と見なし難く△受取人が不特定で△南北韓間の移動が不確実であるという点で、南北交流協力法の規律対象と見るのは難しい」と書かれた答弁書を国会に提出した。統一部が自主的に対北ビラを防ぐ法的根拠がないと自ら結論を出したのだ。

しかし、先月突然「対北ビラとペットボトルが南北交流協力法で承認されていない搬入物に該当する」と言葉を変えた。

(後略)

朝鮮日報「김여정 "쓰레기" 비난 한달만에, 대북전단 단체 2곳 허가 취소(キム・ヨジョン「ゴミ」非難、一月振りに対北ビラ団体2ヶ所、許可取り消し)」より一部抜粋


未来統合党からは北朝鮮の顔色を伺って法解釈まで変え、脱北団体を弾圧している、という声も上がっているとか…。
弾圧かどうかは知りませんが、国会答弁書の存在が本当なのであれば、恣意的に法解釈を変えた二重規範(ダブルスタンダード)であることは確かです。