「日本の主権免除は認められない」、根拠は韓国憲法裁判所の決定文という話

慰安婦の法律代理人である弁護士が、韓国の憲法裁判所の判断を根拠に「日本の主権免除は認められない」という、とんでもない意見書を出したそうです。

言うまでもないと思いますけれども、韓国の裁判所の判断が及ぶのは韓国の主権の範囲内です。日本の主権を侵害する事は出来ません。そして「主権免除」に韓国の憲法は関係ありません。

けれども、こうした意見を正論であるかのように取り合うのが韓国の情(정;ジョン)であり、韓国では正しいことなんだろうと思います。


聯合ニュースの記事からです。

慰安婦被害者側「憲法裁判所の決定によると、日本政府に免責ない」


日本政府を相手に損害賠償請求を提起した日本軍慰安婦被害者側が9年前の憲法裁判所の決定を根拠に免責論理が認められないと主張した。
故・ベ・チュンフィさんなど、被害者の法律代理人であるキム・カンウォン弁護士は17日、ソウル中央地裁民事合意34部(キム・ジョンゴン部長判事)の審理で開かれた続行弁論でこのような内容が込められた意見書を示した。
意見書には、2011年の憲法裁判所の決定を踏まえ、日本政府側が主張する「主権免除」は韓国の憲法秩序に含まれていないという主張が入れられた。

「国家免除」とも呼ばれる主権免除は「一国の裁判所が他の国を訴訟当事者として判断することはできない」という国際法上の原則である。
これによって、韓国の裁判所は慰安婦被害者が日本政府を相手にした訴訟を受け入れてはならない、というのが日本側の立場である。この論理を無力化することができるかが、関連訴訟において主な争点となっている。

キム弁護士が根拠に掲げた憲法裁の決定は「日本軍慰安婦被害者の賠償請求権に関する日韓紛争で、政府が具体的な努力を尽くしていないのは被害者の基本権の侵害にあたる」という内容を骨子とする。
当時、憲法裁は決定分で「韓日請求権協定の締結経緯の前後の状況、女性への比類ない人権侵害に驚愕し、日本の謝罪と賠償を要求する国内外の動きを総合してみると、日本による賠償が行われる可能性を事前に排除してはならない」と判断を示した。

(後略)

聯合ニュース「위안부 피해자 측 "헌재 결정 따르면 일본정부 면책 안돼"(慰安婦被害者側「憲法裁判所の決定によると、日本政府に免責ない」)」より一部抜粋


主権免除は韓国の憲法秩序には含まれていないから、日本の主権免除は認められない、この主張を例えるなら…

「我が家では、目玉焼きに醤油を使うことは家訓で認めれらていない。
 だからお宅もソースを使わなければいけない。醤油は使えない」

みたいな感じでしょうか?


ここに堂々と口出しするのは、日本は韓国の主権の及ぶ範囲内、と見なしていることになります。明らかな主権侵害です。

こんなところが争点になるのが、そもそもおかしいんですが、こうしたズレがあることは知っておくべきだろうと思います。
法の隙間を突いてなんとかしようと試みる、のではなく、情のために法の解釈を捻じ曲げて(あるいは無視して)ゴリ押す、私にはそう見えますけれども。