もともと持っていた「漢字」を使ったライティング・システムを放棄した弊害でしょうか、韓国には韓国語の「三日」が分からない人が居るそうです。Google翻訳でもちゃんと翻訳されないとか。
前提として…
韓国語には日本語と同様に数字の数え方が二種類あります。漢数字を使ったものと、韓国独自の固有数詞です。
漢数字を使った数え方は、일 이 삼 사…と数えます。前から順に一 二 三 四…です。
韓国語固有のものは하나 둘 셋 넷…と数えます。日本語だと、ひー ふー みー よー…に相当する数え方ですが、日本語と違って十(とお)以上の数字の場合も普通に使います。(年齢とか人数とかに使います)
で、日付の場合、月を言わずに日だけを言う時、日本語は十日までは固有数詞で11日から漢数字(二十日は例外)、としますよね?韓国語はその気になればすべての日付を固有数詞で表現できます。(ただし、漢数字を使う方が恐らく一般的)
にも関わらず、「三日」を意味する固有数詞「사흘」を「四日」と誤解した人たちがネットには多く居たそうで、「21世紀の文盲」という指摘が出ています。
※最近では「文盲(もんもう)」という言葉が差別的として、日本では殆ど使われていません。
ここでは引用記事の表現をそのまま使いましたが、「非識字」や「非識字者」という言葉を使うのが一般的になっていますのでご留意ください。
アジア経済の記事からです。
言葉の問題なので一部訳がややこしいところがあります。要は「사흘」を本来の意味の「三日」ではなく「四日」と誤解している人たちがいるのです。なぜなら、韓国語の漢数字「四」は「사」だからです。
「사흘なら4日ではないか?」臨時祝日指定に時ならぬ「三日」議論
(前略) ムン・ジェイン大統領は先日の21日、大統領府主催した閣僚会議で、8月17日を臨時祝日に指定する「官公庁の臨時祝日指定案」を審議・議決した。これにより、土曜日である光復節に続き月曜日まで週末を含んだ三日間休日が続くことになった。 しかし、三日間休むことができる、という記事が報道されるとすぐに各種オンライン・コミュニティとSNSなどでは「15日、16日、17日を休めば三日*1だが、なぜ사흘と嘘をつくのか」、「ニュースの誤報ではないか」、「四日*2休むことが出来るのではないか」などの反応を見せた。 標準韓国語大辞典に登録された「사흘」は「세 날*3」で、わたしたちの言葉で「3日」を意味する。 わたしたちの言葉で日付を数える順番は「一日、二日、三日、四日、五日、六日、七日、八日、九日、十日*4」である。 (中略) これに対してオンラインでネット民たちは「知らなければ調べてみなさい」、「三日の意味を知らずに騒いだのは21世紀の文盲に違いない」と指摘した。 (後略) アジア経済「"사흘이면 4일 아닌가?" 임시공휴일 지정에 때아닌 '사흘' 논란(「사흘なら4日ではないか?」臨時祝日指定に時ならぬ「三日」議論)」より一部抜粋
別ソース記事(ソウル新聞)だとGoogle翻訳でも「사흘」は「four days」と翻訳されるとか。(一応、「사흘 연휴」と入れれば「three days holiday」と訳してくれる)
それはともかく、もし漢字表記していたならこんな勘違いは起こらなかったはずです。
漢字表記を前提にした言語から、言葉の運用はそのままに無理に表記システムだけ取り除いた弊害なのではないかと思います。