北から砲撃あれば、韓国では1時間で最大20万人の死傷者が予測される話

北朝鮮が韓国ソウルを攻撃する場合、弾道ミサイルも核も不要、既に配備済みの通常兵器で事足りる、という話はたびたび聞きますけれども、米国の研究所が具体的に何でどの程度攻撃されると、ソウルの人的被害はどの程度の規模になるのか、という報告書を発表しました。


ソウル新聞の記事からです。

「核なし1時間の砲撃だけで、ソウルなど20万人が死傷」米シンクタンク予測


(前略)


8日(現地時間)、米国の声(VOA)によると、米国シンクタンクランド研究所が「北韓の従来砲。人々に報復、降圧、抑制、恐怖を与えるための手段」という報告書を公開し、このように明らかにした。


(中略)


研究所は北韓のミサイル発射システムの数、潜在的な目標地域の人口密度、攻撃時の人の位置(屋外、室内、地下)について想定し、北韓の脅威の規模を予測した。

これをもとに、主要産業を狙って5分、非武装地帯(DMZ)に沿って1分、ソウル市内目掛けて1分、DMZに沿って1時間、ソウル市内目掛けて1時間の5つのシナリオを想定して被害規模を分析した。


北朝鮮が有効射程60~65kmの長距離放射砲まで動員し、総5700門の中・長距離砲を非武装地帯一帯に発射する場合、1時間で死亡者は1万7000人、死傷者20万5600人が発生すると予測した。

ソウルへの攻撃の場合には、まず短い威嚇射撃で有効射程60~65kmの240mm放射砲54門をソウル市内に向かって1分間、1188発発射すると、1570人の死者を含めて1万8350人の死傷者が出てくると予測した。1時間の場合*1、死亡者1万680人を含む計13万人の死傷者が発生すると予測した。


(後略)


「"핵 없이 1시간 포격만으로 서울 등 20만명 사상" 美싱크탱크 예측(「核なし1時間の砲撃だけで、ソウルなど20万人が死傷」米シンクタンク予測)」


韓国にとって現時点での最大の脅威は北朝鮮のはずです、客観的に見れば。砲門が確実に韓国に向けられているわけですから。

昨日、韓国の軽空母建造・配備に関してコストや有効性の面から「否定的」なコラムを紹介しましたけれども、北朝鮮に備えるのを第一に考えるのであれば、やっぱり軽空母の優先度はず~っと下がるはずなんですよね。


*1:原文「이 경우(この場合)」。意味が通じないので、多分誤字。前後の文脈から、「ソウルに1時間砲撃があった場合」と想定して訳している。