安倍さんの辞任「健康上の理由」は言い訳という話

安倍首相が辞意を表明されました。長期の激務、お疲れ様でした。


当然のことですが、韓国でも注目度の高いニュースになっています。
長期執権だったため、長らく「安倍憎し」の報道がメインだったこともあるでしょうし、「悪いのは政府、日本国民はみんな韓国が好き。韓流に熱狂している」というスタンスで報道してきたこともあるんでしょう、安倍さんが辞任することで以降、日韓関係が改善する(日本が折れる)という見方もあるようですが、大勢は「変わらないだろう」としています。

「日本が変わる」とする意見は選挙のたびにもチラホラ見かけます。そしてその後、結局変わらないので、そろそろ夢想するのを止めたのかもしれません。


ノーカットニュースの記事からです。

幕を下ろした日右傾化の長期独走。安倍落馬で韓日関係も変わるだろうか。



(前略)


安倍首相は2012年12月第二次執権以降、延々8年近くの在任期間中に植民地・侵略などを否定する歴史修正主義の行動で韓日葛藤を煽ってきた。

例え健康上の理由から退くとしても、コロナ19防疫など国政の失敗の責任とも無関係ではないという点で、事実上の落馬と見ることができる。

最長寿首相を務め、戦後体制脱却を叫んで日本社会の右傾化の流れが加速していた時代の終焉を意味するという点で、いくつかの変化が予想される。

しかし、韓日関係に限定すれば一度に大きな期待はしにくいと思われる。両国の対立の構造的要因が明らかになったうえ、安倍総理政権の間に国民の間の心の溝もより深まったからである。

(中略)

このような中、安倍政府は日本軍慰安婦問題などの歴史に退行的な行動で一貫しただけでなく、ムン・ジェイン政府の韓半島平和プロセスを妨害した状況まで明らかになり反日感情に油を注いだ。

(中略)

安倍の急な辞任で日本の政局には当分混乱が避けられない点も韓日関係改善の制約要因である。

(中略)

これと関連し、安倍首相の辞任の可能性を予測し、的中させた保坂祐二世宗大教授は、この日の放送インタビューで安倍の辞任理由が健康ではなく、彼を取り巻く刑事事件だと主張した。

(後略)

「막내린 日우경화 장기독주..아베 낙마로 한일관계도 바뀔까(幕を下ろした日右傾化の長期独走。安倍落馬で韓日関係も変わるだろうか)」


「事実上の落馬」、この表現がすべてを物語っている気がします。

「安倍政権は政策を間違った。韓国との外交政策を間違った。そのため日本国民からの支持を失った。体調不良など言い訳に過ぎない。
 日本国民は韓国との和解を望んでいる。なぜなら日本国民は韓国が好きだからだ」

多分、こう言いたいのでしょう。
無理がありますが、「日本国民は韓国が好き」が既定路線なので仕方ありません。


この記事のスタンスはあくまで「韓国側」から見たものなので、「韓国の反日感情は日本のせい」、「日本国内の嫌韓感情は安倍のせい」です。

北朝鮮と上手くいっていないのも「安倍のせい」...多分、ボルトンさんの回顧録の内容のことなんでしょうね。しかし万能すぎるでしょう、「安倍のせい」。


記事のタイトルでは日韓関係が「変わるだろうか」と疑問形になっていますが、実は本文では「変わらないだろう」としています。


次期総理候補として上げている中で、麻生さん、菅さん、河野さんの3名については「強硬派」で今と変わらないだろう、としています。

石破さんを「反安倍陣営」、岸田さんを「穏健派」とし、この2人であれば期待できるが限定的だろう、としています。
「反安倍」であれば安倍政権と逆の路線に行くに違いない、という考えているのであれば単純過ぎる見立てですね。
「穏健派」の岸田さんは甘いから押し切れる、と舐めているんでしょうか?

いずれにせよ、徴用工や慰安婦問題については「国際条約違反」(慰安婦に関しては合意の一方的破棄)という認識を日本政府は公式に表明していますから、関係改善のためには最低でもこの状況が変化しないと、いかに「首相」が韓国に融和的でもどうしようもありませんけどね。