日韓の温度差の話

米国の調査会社ピュー・リサーチ・センターが14ヵ国の国民を対象に何を「大きな脅威」と感じているかを調査しました。
調査対象は、アメリカ、カナダ、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、イギリス、オーストラリア、日本、韓国の合計14,276人の成人男女です。


結果、北米やアジア、イギリスでは最も関心が高い脅威が「感染症の拡大」であったのに対し、欧州の殆どの国では依然「気候変動」への関心が最も高くなったそうです。

特にCovid-19で多くの犠牲者が出ているイタリア、フランスでは「感染症の拡大」への関心は「気候変動」に比べ10ポイント程度低く、関心度も3位となっています。
人間の自己努力で何とか出来るもの(=気候変動)と、そうではないもの(感染症)、という区別かもしれません。なかなか興味深いです。


f:id:Ebiss:20200910175004p:plain:w400


上の画像が全体の結果です。緑のマークが一番関心が高いもの、青が二番目に関心が高いもの。赤が最も関心が低いものです。
黄色のラインと、上部の項目の日本語訳は私が勝手に入れたものです。

意外だったのは、日本や韓国のような非移民国家というか…ほぼ均一な文化の、文化的には単一民族国家と呼べるような国以外でも、移民問題への関心が低いことです。(まあ、それでも韓国は日本と比べると10ポイント以上高いですが...)


日本と韓国は地理的にも近いためか、似たような分野に関心を持っているようです。
ただし、決定的に違うのが「国家間対立」への関心です。(画像では字数の関係上「国家間対立」としたが、「長期間に及ぶ国家、あるいは民族間紛争」)

日本が半数以下、下から二番目の脅威と見なしているのに対し、韓国では7割近く、下から四番目の脅威となっています。
※ちなみに、調査対象の全14ヵ国中、「国家間対立」と「移民問題」のスコアが共に一番高かったのは韓国。


これは十中八九、最近の日韓関係を反映しているのでしょう。
メディアの報道姿勢もあるのでしょうが…実際、韓国メディアの方が「かまし(センセーショナルに)(あくまで主観)」報じているように思えます。

そうした印象操作(?)効果も合わせて、日本より韓国でより「重く」受け止められていることを示唆しているのかもしれません。日韓の温度差を感じます。