7月に撤去予定だったゴールデンレイ号、10月になっても作業目処がつかない話

昨年9月に米国ジョージア州で転覆した現代グロービスの貨物船ゴールデンレイ号の撤去作業は、転覆した船体を8つに解体してから除去する作業が7月半ばから開始される予定でした。
ところが、7月の後半になってから急遽10月に延期が決定されました。
理由として、米国にハリケーンの季節がやってくることと、作業員の間でCovid-19の感染が発生したためとされています。

で、予定の10月になったわけですが、今度は技術的な問題が発生したため再延期が発表されました。


地元紙The Brunswick Newsによると、船体を8つに切断した後にVB 10,000という特殊な大型クレーンで持ち上げるのですが、このVB 10,000を安定させるためのアンカーの一つに、十分な強度を確保できているか確認するための引っ張り試験(プルテスト)で問題が発生したとのことです。


今の所、有効な解決策は見つかっていないということで、作業の目処が立っていないようです。

作業開始さえ出来てしまえば、切断→除去の流れで1ピースにつき7〜10日くらいで出来てしまうらしんですけどね。


以前もお伝えしていますように、この件は最終の事故報告書が提出されるまで追っかけるつもりにしています。
事故発生時点で韓国メディアが「日本のせい」のように書き立てたことに本当に腹が立ちましたので。


先月には公聴会が行われて船の乗組員から新たな証言が出ました。
曰く、乗組員たちは船が傾き始めるまで何の異常も感じていなかった、とのこと。
異常を感じたのは船のコントロールを失った瞬間で、そのときには既に船体は傾き始めていたそうです。


捜査官は積荷の積載の仕方について、積み下ろし計画の責任者へ聴取しています。

降ろされる車と、新たに積み込まれる車との重量差を考慮しているか?というのが主な内容だったようですが、これに対しては「利用可能なスペースに基づいて配置する」と答えているので、重さよりスペース重視のようです。

これが事故の原因かどうかはまだ不明です。事故原因究明にはまだまだ時間がかかるでしょう。
ただ、捜査官の質問の意図を考えると、やはり積荷の重量バランスに着目しているように思えますし、少なくとも公聴会の概要を報じた記事では転覆直前にすれ違ったという日本の貨物船の話は一切出てきていません。