アジア・パワーインデックス2020の話

オーストラリアのシンクタンクであるLowy Instituteが「Asia Power Index2020 Edition」を発表しました。
日本の総合3位は昨年と変わらずです。

分析は8つの指標で構成されており、それぞれに総合評価に与える寄与度が設定されています。
順に、経済機能17.5%、軍事力17.5%、回復力10%、将来の資源10%、経済関係15%、防衛ネットワーク10%、外交的影響力10%、文化的影響力10%です。


韓国経済の記事からです。

アジアスーパーパワー7位は韓国...中は米にピタリと付いて


オーストラリアのシンクタンク、ロウイ・インスティテュート(Lowy Institute)が18日(現地時間)に発表した「2020アジアパワーインデックス」によると、米国は経済、外交、文化、軍事力など81.6点(100点満点)を受けて1位に上げられた。しかし、ロウイ研究所は以前に比べてアジア地域での米国の影響力が低下したと評価した。

2年前には米国は2位の中国を10ポイント差で引き離し、堅固な地位を誇ったが、今回は5.5ポイント差に狭まったためだ。

(中略)

一方、中国はコロナ19の衝撃を最も早く脱した国の一つで、経済成長が予想されるいくつかの国家という点で評価を受けた。しかし、コロナ19発生国という疑惑、いわゆる「オオカミ戦士」と呼ばれる中国外交官の荒い言辞などは中国の減点要因だった。

3位は日本、4位はインドが占めた。5位はロシア、6位はオーストラリアが占めた。
韓国は31.6点で7位だった。韓国は昨年6位だったが、今回はオーストラリアに抜かれた。ロウイ・インスティテュートは韓国が保有している利用可能な資源に比べて強い影響力を発揮する国と評価した。しかし、昨年より文化的影響力が減少し、国防力は米国の同盟国という利点が作用したが、日本に比べると遅れを取ったと評価した。

韓国経済「아시아 슈퍼파워 7위는 한국…中은 美 바짝 따라와(アジアスーパーパワー7位は韓国...中は米にピタリと付いて)」より一部抜粋


「オオカミ戦士」って初めて聞いたので、なんだろうと思ったら「戦狼外交」のことでした。
元は2015年に作られた中国の映画のタイトルからの造語です。「狼のように力を誇示する攻撃的な外交戦略」を指す用語として使われます。

韓国語では正確には「전랑 외교(戦狼外交)」と書くはずです。でも多分、「전랑(戦狼)」というがよく分からない(通じない)ために「늑대 전사(狼戦士)」に変えてあるのだと思います。


全体はこのように↓なっています。

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日本の総合点は41.0点です。1位2位の米中と比べると大きく見劣りします。

各分野ごとに見ていくと以下の通りです。

  • 経済機能 32.1(-2.2) 3位
  • 軍事力 28.3(-1.2) 7位
  • 回復力 38.0(+0.9) 7位
  • 将来の資源 12.0(+0.7) 6位
  • 経済関係 47.5(-5.3) 3位
  • 防衛ネットワーク 47.4(+2.5) 3位
  • 外交的影響力 88.8(-2.1) 2位
  • 文化的影響力 47.4(+2.9) 3位


最も伸びたのは防衛ネットワーク47.4(+2.5)で、昨年までの韓国と順位が入れ替わりました。
これは、日米豪印の4ヵ国安全保障の枠組み推進によるものでしょう。

逆に軍事力と回復力は7位と、あまり良くありません。韓国メディアの報道を見ていると日本は「軍国化」している気分になるんですけれどね。


韓国メディアの記事を引用したので、一応韓国の各分野もまとめておきます。

  • 経済機能 19.1(+0.4) 5位
  • 軍事力 31.7(-1.2) 5位
  • 回復力 35.8(±0) 9位
  • 将来の資源 11.7(+1.0) 8位
  • 経済関係 27.4(±0) 5位
  • 防衛ネットワーク 43.6(-2.4) 4位
  • 外交的影響力 65.7(-4.0) 5位
  • 文化的影響力 29.3(-4.5) 7位