教育現場に残る日帝残滓の話

教育現場に残る「日帝残滓」を取り除くことに並々ならぬ執念を燃やしていらっしゃる韓国さんですが、大田、世宗、忠南について、どの程度進んでいるのか、国会の教育委員会の監査で質疑が行われたそうです。

校歌や校章、用語については取り除くことに意欲的なようです。けれどシステム自体は見てみぬ振りです。


ノーカットニュースの記事からです。

気を付け・終礼・納得・指示...学校に残った日本の残留物


(前略)

19日午後、忠南大で開かれた国会教育委員会の大田・世宗・忠南教育庁に対する国政監査では、教育庁別に日帝残滓に対する調査及び生産状況に関する議員からの質疑が出た。
共に民主党のジョン・チョンレ議員は学校内の日帝残滓調査報告書を提出した光州・全南教育庁の事例を上げて、大田・世宗・忠南の推進状況を尋ねた。

これに対してソル・トンホ大田市教育庁は「関連研究を進め、分析結果の妥当性や精算・交換方法について専門家と検討している」と説明し、「また親日行跡が確認された校歌の使用状況を調べ、把握された2校について交換手順を案内した状態」と明らかにした。

忠南では日本人校長の写真を剥がし、校歌と日帝残滓として挙げられる造形樹の「カイヅカイブキ」の交換とともに、常用語の変更にも取り掛かった。
キム・ジチョル忠清南道教育監は「『指示』、『示達』、『通達』、『納得』に至るまで、行政に残っている日本式用語を取り除く作業を行っており、白書を作成して学校現場に案内した」と述べた。

(中略)

気を付け、敬礼、朝会と終礼、訓話など、私たちに馴染みのこれらすべてが日帝残滓。校歌と学校の校章だけでなく、校内で使われる各種用語と文化にも日帝残滓が深々とあるのが実情である。

(後略)

ノーカットニュース「차렷·종례·납득·지시…학교에 남은 일제 잔재물(気を付け・終礼・納得・指示...学校に残った日本の残留物)」より一部抜粋


日本で言う「気を付け」に当たる「차렷(チャリョッ)」を果たして日帝残滓として良いものか、正直疑問です。
というのも、コレの基本形は「차리다(チャリョダ)」という単語で「整える」という意味です。ですから、「気を付け」は意訳です。

用語そのものよりも、西洋式軍隊の整列を学校に取り入れている制度そのものを「日本の残滓」とした方が自然じゃないでしょうか?
言葉の問題にしてしまうとテコンドーの用語も見直さないとダメです。


他の用語も似たようなものです。
もちろん、「納得」など和製漢語もあります。こうした単純な「言葉」であれば、新たな用語を定義することで取り除くことも不可能ではないかもしれません。


けれども、制度として組み込まれてしまっているもの。例えば、先に上げた「気を付け(차렷)」や「朝会(조회)」、「終礼(종례)」、「訓話(훈화)」...などなどは、「日本式の学校教育」システムの一部として移植されたものです。

記事を読んでお分かりと思いますけど、「校内で使われる各種用語と文化にも日帝残滓が深々とある」のに、具体的に取られている対策は校歌や校章、用語の変更であって、システム(文化)は変えていません。

システムそのものが日帝残滓なのに、用語だけ取り除いてシステムは残す…これは道理に適うのでしょうか?