脱北者を軍が補足してから確保まで、最高監視体制で14時間以上かかった話

中国からの密入国船舶をスルーしたり、元・脱北者が同じルートで越北するのをスルーしたり、韓国の公務員が北朝鮮軍に拘束された際、リアルタイムで無線を傍受していたにも関わらずスルーしたり…やたらとスルースキルの高い韓国軍ですが、また新たに越南者(脱北者)をスルーしていたことが分かりました。


ニューシスの記事からです。

北韓男性、越南中の科学化境界システムは「無用の長物」(総合)


(前略)

合同参謀本部の関係者は4日、記者たちと会って北韓男性の亡命と見られる事件と関連し、「韓国軍は2日午後10時14分頃、東部戦線の自軍GP監視装置に軍事境界線一帯で未確認人物1名を2度補足し、その後観測が不可能だった」と明らかにした。

関係者は引き続き「翌3日午後7時25分頃、自軍TOD(熱像監視装置)で未確認人物1名がGOP鉄柵を越えたことを捕捉したが、すぐに観測が不可能となった」と説明した。

軍の説明を総合すると、越南した北韓男性Aさんは、鉄柵を越える前日の2日午後遅く、軍事境界線一帯で動く姿が軍の監視装置に2度捕捉された。最初は3秒間、2度目は30秒の間、識別された。

軍当局は、これにより様々な偶発状況に備えて地域情報の監視を最高レベルに引き上げDMZ捜索作戦の展開と非常駐GPに兵力を投入するなど、警戒・監視の強化に乗り出した。
しかし、Aさんは翌日、悠々と南方限界線まで接近し、韓国軍の鉄柵を越えた。彼が鉄柵に取り付く際、我々の軍の監視装置や兵力はこれを捕捉していなかった。

(中略)

結局、Aさんは出動した機動調査チームによって1次封鎖線の内側で捕まった。彼は発見当時、非武装状態であり亡命の意思を明らかにしたと伝えられた。発見場所はGOP後方1.5kmの、民家から離れた地域である。
軍当局がAさんが鉄柵を越えるのを見守った後、彼の身柄を確保するところまで14時間以上かかったのだ。

(後略)

ニューシス「북한 남성 월남하는 동안 과학화 경계시스템은 '무용지물'(종합)(北韓男性、越南中の科学化境界システムは「無用の長物」(総合))」より一部抜粋


Aさんが監視装置をどのくらい意識していたのかは分かりません。
けれども、30秒も姿を晒しているということは、気を付けていても素人のやること、という感じがします。
もしこれが武装した工作部隊だったら…と考えると背筋が寒くなるものがあります。