韓国銀行本館の建物は史跡第280号に指定されています。1912年に朝鮮銀行本店として竣工し、1950年に韓国銀行本館となり、現在は貨幣博物館となっています。
ここの定礎は伊藤博文直筆の書を元に作られています。以前からこの指摘はありましたが、文化財庁が初めて公式に認めたのはほんの一月ほど前のことです。
伊藤博文直筆と確認されたからには「日帝残滓」として精算の対象になります。
が、一応文化財の一部なので勝手にやって文化財毀損の批判が起こると困る、ということで世論調査をするらしいです。
世界日報の記事からです。
[単独]韓国銀行、伊藤博文「直筆定礎」撤去、国民が決める
(前略)
18日、国会文化体育観光委員会所属の共に民主党チョン・ヨンギ議員によると、文化財庁は遅くとも来月中に韓銀に設置されている伊藤博文直筆定礎の処理をめぐり、国民に対し世論調査を実施することにした。
韓国銀行は5日、近代建築、構造、石匠の専門家とともに定礎管理法案諮問会議を開いた。この席で3つの案が出された。まず、現在の状態をそのまま保存し、案内板のみ設置する案である。この場合、定礎石の文字の原型の保存は可能だが、一部の団体などの文化財毀損等への管理問題の懸念が提起された。
文字の上から建物の外壁のように石膏で覆う案も出された。しかし、この案は伊藤の文字の歴史的事実を保存するのではなく、別の毀損論議が起こるという欠点が議論された。
撤去後に移転する案も可能性がある。定礎石の字が刻まれた部分を切断して、その部分を建物の外壁のように石膏で覆う方法である。代わりに切断した部分は独立記念館に展示して歴史的事実の記憶と教育資料として活用可能である。その代わりに文化財の原型を毀損したという批判に直面する可能性がある。
韓国銀行は13日、「韓国銀行本館定礎石管理法案現状変更」を文化財庁に申告した。これをもとに文化財庁は文化財委員会の管理方策と推進計画を報告する予定である。以降、世論の収斂結果などをもとに定礎石管理法案を来年初めに最終的に確定することにした。
(後略)
世界日報「[단독] 한국은행 이토 히로부미 '친필 정초석' 철거, 국민이 정한다([単独]韓国銀行、伊藤博文「直筆定礎」撤去、国民が決める)」より一部抜粋
上が問題の「定礎」で、下が元になったと思われる伊藤博文直筆の書です。確かに一致するように思えますね。
しかし…そのまま保存したら「誰か」が毀損するに違いない、が前提になっている以上、「撤去しない」という選択肢はないと思うのですけれど、何を世論に問うんでしょうか?