自民党議員82名がベルリン慰安婦像撤去支持声明を発表した話

ドイツのベルリン市に設置された慰安婦像について、日本の議員82名が連名で撤去を支持する声明を発表し、像が設置されているミッテ区の区長と区議会宛に送付しました。
それに対する韓国側の報道と韓国外交部のリアクションの報道です。


まずは声明についてニューシスの記事からです。

日議員82人「ベルリン少女像、日本の尊厳に傷」声明


日本の自民党所属議員がドイツの首都ベルリンに設置された日本軍慰安婦のシンボル「平和の少女像」撤去を支持する声明を出したと産経新聞20日報じた。

報道によると、稲田朋美前防衛相、高島修一衆院議員、青山繁晴参議院など自民党所属議員82人は去る18日、ベルリン少女像が設置されたミッテ区側に撤去の方針を支持する声明を送った。声明文はミッテ区長と区議会議員に発送された。

これらの声明はミッテ区の平和の少女像について「芸術作品や展示性暴力の被害者一般を表現したのではなく、日本だけを標的に、日本の尊厳を一方的に傷つけている」と主張した。
また、「ミッテ区が一方的な政治的支持を表明する印象を与え、日本とドイツの間の友好関係に悪影響を与える恐れがある」ともした。

(後略)

ニューシス「日의원 82명 "베를린 소녀상, 일본의 존엄에 상처" 성명(日議員82人「ベルリン少女像、日本の尊厳に傷」声明)」より一部抜粋


先日の名古屋市の河村市長の撤去要請書簡もそうですけれど、良い傾向の動きだと思います。
政治家が動けばその時点で「政治問題」に出来ます。あまり大っぴらに自慢できる方法ではありませんけどね、こうしたやり方も必要な時だと思います。


次に、声明送付を受けての韓国外交部の反応についてです。
ニュース1の記事からです。

外交部、日自民党の少女像撤去圧迫「謝罪反省に逆行」


外交部は21日、日本自民党の国会議員がドイツのベルリンに設置された平和の少女像を撤去させようと圧迫する声明を送ったという報道と関連して「日本自らも明らかにした責任痛感と謝罪反省の精神に逆行する動き」と批判した。

(中略)

この当局者は、自民党議員の行為は「厳然たる歴史的事実と関連した追悼・教育のため民間により自発設置された造形物を人為的に撤去しようと関与すること」としながら「日本軍慰安婦被害者の問題解決の助けにならないだけでなく、日本自らも明らかにした責任痛感と謝罪反省の精神にも逆行するものと見る」と述べた。

(後略)

ニュース1「외교부, 日자민당 소녀상 철거 압박 "사죄 반성에 역행"(外交部、日自民党の少女像撤去圧迫「謝罪反省に逆行」)」より一部抜粋


逆行ですって。個人的には慰安婦像建てまくってる行為の方が慰安婦合意にも時代にも逆行しているように見えますけれども。

責任やら謝罪やらは「尊厳を傷つけられても文句言いません」という事ではないですよね?少なくとも私はそういう意味では謝罪しませんが。
韓国では謝罪すれば尊厳を失うのと同義なのでしょうか?(だから自分は謝らず謝らせようとする?)


「民間により自発設置された造形物を人為的に撤去しようと関与すること」...不思議な表現ですけれど、韓国社会内の「民間(市民団体)」の立場がよく反映された言葉に思えます。

「民間」と名が付けば、それすなわち「民意」なので絶対的に正しいのです。「民意」は「情緒」です。「法」よりも尊重されるべきものです。
それに対して公権力が何か言うのは正しくないのです。
「民意により自発設置された」は「自然発生的に生じた」ということです。慰安婦像の設置は民意の中から湧き上がってきた正しい行いなので、日本政府・議員が口出すことではない、と言いたいのでしょう。

私は「民意は常に正しい」という前提は成立しないと思うのですけれど。