少し前にムンさんが韓国の公営住宅を視察して「持ち家じゃなくても賃貸で十分」みたいなことを言っていました。
住宅の維持管理に煩わされなくて良いという利点がありますし、持ち家に対する思い入れは人それぞれですので、そういう考え方も十分アリだと思う私は聞き流していたのですが、この件がちょっと問題になっているようです。
ムンさんの発言そのものではなく、視察した公営住宅が実は月に一度は水漏れやカビなどのトラブルで苦情が入っている物件で、ムンさんに見せる部屋(空室)だけを直前にリフォームしていたことが分かったためです。
現実問題として、お偉いさんが視察に来るとなれば、現場は「それなり」のものを見せたいはずです。最上級とはいかなくとも、中の上くらいの物件を用意して見た目を整えるくらいは許容範囲かと思います。
ですが、限度ってもんがありますよね。
内実の伴わない「見てくれだけを整える」のは首脳会談やらなんやらで韓国がやたら拘る部分としてたびたび指摘させてもらっていますが、今回もそのわかりやすい事例になります。
ニュース1の記事からです。
「ムン訪問イベント」4.5億ウォン支出問題に...LH「後方映像制作費も含まれる」
韓国土地住宅公社(LH)がムン・ジェイン大統領の公共賃貸住宅の訪問日程に向けて約4億5000万ウォン*1を支出したという事実が伝わり議論が高まっている。LHは実際の費用はそれより少ないと主張し、釈明に乗り出した。
16日、国会国土交通委員会所属のキム・ウンヘ議員がLHから提出を受けた資料によると、LHは11日、ムン大統領の賃貸住宅訪問を控え、住宅インテリア・補修費用及び行事進行予算などに4億5000万ウォン*2を支出した。インテリアなどの補修費用に4290万ウォン*3、行事進行予算に4億1000万ウォン*4を使用したという説明だ。
キム・ウンヘ議員は「ムン大統領が訪問した賃貸住宅は実際には住民たちが手抜き工事の被害を訴えているところ」とし「LHがムン大統領の1日のイベントのために予算をかけて実際とは違う姿を演出した」と批判した。
キム議員はまた、該当住宅に居住している入居者たちが月に一度の割合で壁面のカビや水漏れなどの手抜き工事で苦情を申し立てていると指摘した。
LHは「キム議員が言及した費用には発注時点のもので、実際に支払われる金額は減るだろう」と釈明した。インテリア費用(約4000万ウォン)の他にも「公共賃貸住宅設計公募大展当選作の模型製作」「公共賃貸住宅広報映像制作」などに使われた費用まで含んだ金額という説明だ。
(後略)
ニュース1「'文 방문이벤트' 4.5억 지출 논란에..LH "홍보영상 제작비도 포함"(「ムン訪問イベント」4.5億ウォン支出問題に...LH「後方映像制作費も含まれる」)」より一部抜粋
住宅公社はリフォーム代以外にも費用が掛かっている、と釈明していますが、これは金額の問題じゃないでしょう。キム・ウンヘさんが指摘しているように「虚偽を見せた」ということの方が問題でしょう。
直前にリフォームされた綺麗な部屋を見れば、そりゃ「賃貸でも十分」って言いたくなります。
でも実際はその物件は欠陥住宅で水漏れなどのトラブルが頻発していたわけです。住みたいですか?って話です。
言い方が悪いですかもしれませんけれども、大統領の視察に選ばれたのがその程度の物件です。他も似たようなレベルでは?と思えてしまいます。