IAEA事務総長「福島処理水の海洋放流は国際慣行に則している」という話

IAEAの事務総長が福島の処理水の海洋放流について「技術的にも国際慣行的にも問題なし」として、日本と協議を進めている旨を共同通信との取材で明らかにしました。
これについて韓国メディアでは「また日本の味方をした」と報じています。
日本の味方とかではなく、科学的見地という一定の基準に立てば福島を問題視した場合、全世界の原発の海洋放流を問題視しないと理に合わない、というだけの話のように思えます。



ニュース1の記事からです。

IAEA事務総長また日本の味方「福島汚染水処分に協力」

日本の福島原発汚染水の海洋放流を支持する趣旨の発言をし、議論を呼んだラファエル・マリアーノ・グロッシ国際原子力機構(IAEA)事務総長が再び汚染水の海洋放流について「日本側と協議している」という立場を明らかにした。

グロッシ事務総長は19日(現地時間)、オーストリアのウィーンにあるIAEA本部で共同通信と行ったインタビューにおいて放射性物質トリチウム三重水素)を含む汚染水の処分について「日本側と協議しており、処分が決定され要請があれば国際監視チームを直ちに派遣する用意がある」と明らかにした。
彼は2月、日本を訪問し福島第一原発を見学した後の記者会見でも原発汚染水の海洋放流は「技術的観点から見て国際慣行に則する」とし「全世界の原発で海洋放流は非常事態ではない時にも日常的に行われている」と主張した。

(中略)

日本政府と東京電力は現在、原発敷地内で保管中の放射性汚染水を「多核種除去設備(ALPS)を利用し、セシウムストロンチウムなどの一部放射性物質をろ過した」という意味で「処理水」と呼んでいる。
しかし、この「処理水」にもトリチウム炭素14など他の放射性物質が残っているうえ、特にトリチウムの場合、浄化処理が不可能なため海洋放出の際、生態系に及ぼす影響など危険性に対する懸念が収まっていない。

(後略)

ニュース1「IAEA 사무총장 또 일본편 "후쿠시마 오염수 처분 협력"(IAEA事務総長また日本の味方「福島汚染水処分に協力」)」より一部抜粋


浄化処理が不可能なトリチウムを韓国を含む全世界の原発はどうやって処理しているのでしょう?当然、海洋放流です。
だからIAEAの事務総長が「国際慣行に則する」と言っているんです。

先日も海洋汚染防止に関するロンドン条約のオンライン会議で韓国の水産部が福島処理水の海洋放流を議題としてねじ込もうとしていました。
日本側は「議論の事案ではない」という立場を取ったようですが、もし議題として論じるのであれば福島だけではなく全世界の原発が対象になる、ということにそろそろ気が付いた方が良いと思います。
韓国からしたら「日本の海洋放流だけが特別」なのかもしれませんが、議題として提案を受けた他の国々も同じように考えるとは限りません。