北へ向けられるはずの人権批判が韓国に集中している話

ムンさんは人権弁護士出身の大統領、というのが宣伝文句(?)です。
ところが2017年のムン政権発足以降、国連人権高等弁論事務所(OHCHR)からの批判が18回あったそうで、今まで韓国が受けた35回の勧告のうち半数以上がムン政権になってからとなります。
そしてその内容ですが、大半が北朝鮮絡みのようです。特に、昨年起こった韓国公務員の射殺事件など、本来北朝鮮が責められるべき件についても韓国の対応を問題視する内容が含まれています。


朝鮮日報の記事からです。

[単独]国連、ムン政府発足後に韓国人権批判18回...北より4倍多い汚名


国連人権高等弁論事務所(OHCHR)がムン・ジェイン政府時代の2017年以来、韓国政府に人権問題関連で計18回の意見開陳を要求したことが確認された。歴代政府の中で最も多い数値だ。OHCHRが今まで韓国政府に人権問題に関連し、計35回の意見開陳をしたが、このうち半分以上の意見開陳要求(18回)がムン・ジェイン政府の人権問題に対してだ。OHCHRは人権分野で世界最高権威の国際機関だ。

特に同期間の北韓(4件)、ルワンダ(3件)、民主コンゴ(12件)、日本(13件)よりも多いことが分かった。「人権派弁護士」出身者が大統領である韓国が「人権後進国」の汚名を着せられる可能性があるという批判が出る恐れがある。

4日、国民の力ジ・ソンホ議員が入手した資料に因ると、OHCHRが意見開陳を要求した主要書簡は、中絶刑事処罰(2020年12月29日)、北韓軍の西海*1の公務員銃撃射殺事件(2020年11月17日)、25箇所に北韓人権および脱北者定着関連市民社会団体への監査(2020年9月3日)、東海*2で拿捕された2名の北韓船員の再北送(2020年1月28日)決定などだ。

OHCHRの問題提起は国際社会で勧告の効力のみを持つが、加盟国は60日以内に返答を提出する義務がある。
しかしムン・ジェイン政府は事案ごとに原則的な答弁を行いながら、4件については回答しなかった。ムン・ジェイン政府は北韓軍による西海の公務員襲撃については「公共機関の情報公開に関する法律(情報公開法)」まで適用し、黄海が難しいという返答で一貫した。歴代政府で国連の書簡に回答をしなかったケースが1度に過ぎないことと比べるとムン・ジェイン政府が国連の指摘を一貫して無視したという指摘が出てくる。

(中略)

チ・ソンホ議員は「OHCHRは人権問題に関する国際社会の基本的な基準を作る国際機構だが、この機構の嫌疑書簡に対しても情報公開法云々と答えを避けているのが韓国政府の現在の姿だ」とし「国際社会で表現の自由を抑圧する人権侵害国と烙印されている韓国の名誉回復が急がれる」と指摘した。

朝鮮日報「[단독] 유엔, 文정부 들어 한국 인권 비판 18차례..北보다 4배 많은 오명([単独]国連、ムン政府発足後に韓国人権批判18回...北より4倍多い汚名)より一部抜粋


昨年12月に中央日報もコラムで書いているのですが、本来、北朝鮮に向けられるはずの人権批判が何故か韓国に向いているのが現状です。

理由は恐らく、韓国が北朝鮮に都合の悪い件をもみ消すフィクサー的役割を担っているように見えるからです。
これは韓国が「人権後進国」と批判するより、「目的=南北宥和を演出」するために特定の問題から努めて目を背けている、と見たほうが良さそうです。