バイデン政権の対日・対韓の温度差、韓国の戦略的価値は北東アジア限定?の話

4日に行われた米韓首脳電話会談について、一部バイデンさんが爆笑したなどの和気藹々報道がありましたけれども中身の無いいつもの「雰囲気」報道だったのでスルーしていました。
内容について触れたものは割合アッサリしたものです。

具体的には触れられず、ただ「日米韓(韓米日)協力の必要性」についてと、「対北問題の共助」だけです。ホワイトハウスの公式発表では「日米韓」にすら触れていません。

韓国メディアは首を長くして待っていた電話会談でしたが発表内容は原則的なもので、良くも悪くも肩透かしを食らったのではないかと思います。

しかし電話会談から数日が経ち、米国の本音が気になり始めたようです。
バイデンさんもブリンケンさんも、対日と対韓でなんか温度差ない?米国は韓国の戦略的価値を「東アジア限定」と見てない?と。



ニュース1の記事からです。

バイデンもブリンケンも「韓国は核心軸、日本は礎」..米の本音は?


米国のバイデン政権が韓国と日本に対して「同盟国の温度差」を見せていると評価が出ている。

韓国と日本をそれぞれ「リンチピン」(linchpin・核心軸)と「コーナーストーン」(cornerstone・礎)と表現し、北東アジアでの役割とインド・太平洋戦略を巡り両国の「戦略的価値」を差別化しているという分析が出ている。

大統領府は4日、ムン・ジェイン大統領とバイデン大統領の韓米首脳の通話内容を説明し、「両首脳は韓米両国が韓半島とインド・太平洋を超えて包括的戦略同盟に韓米同盟を発展させていくことにした」と明らかにした。
一方、同日米ホワイトハウスは「インド・太平洋」という用語は使わず「北東アジアの平和と安全保障のリンチピン」とだけ表現した。
ホワイトハウスは先月、日米首脳通話関連のブリーフィングでは日米同盟をめぐり「自由で開放的なインド・太平洋の平和と繁栄のコーナーストーン」と表現した。

(中略)

これに先立ち、ブリンケン国務長官も先月26日、日本の茂木敏充外相とカン・ギョンファ外交部長官と電話会談を行い、日米同盟と韓米同盟をそれぞれコーナーストーンとリンチピンと表現した。

間米首脳通話に続いて行われた米国と豪州の首脳通話では両国同盟を「インド・太平洋と世界安定のアンカー」(anchor・錨)と言った。
米国が豪州と日本の首脳通話発表と違い、別の同盟国である韓国に対してのみインド・太平洋の表現を自制しているという指摘だ。
特に中国の牽制手段と評価される「クワッド(Quad・米国、日本、豪州、インド集団安全保障協議体)国家にだけインド・太平洋に言及したことをめぐり、米国が韓国の戦略的価値を北東アジアだけに限定している、という分析が出てくる。

(後略)

ニュース1「바이든도 블링컨도 "한국은 핵심축, 일본은 주춧돌"..美 속내는?(バイデンもブリンケンも「韓国は核心軸、日本は礎」..米の本音は?)より一部抜粋


先立って、今月2日に米議会調査局(Congressional Research Service)が日本と韓国についてのレポートを出しているのですが、韓国に対しては「韓国は一般的に中国の反感を買うことを避けようとする(South Korea generally tries to avoid antagonizing China.)」としており、日本に関するレポートでは「中国の影響力の高まりを警戒し、日本はこの地域の他の国々との関係を深めてきた。日本は東南アジアの数カ国と温かい関係を築き、日米豪地域のインフラ融資イニシアティブを開始、防衛協調を改善するために米印豪と4ヵ国間の安全保障対話を支持してきた(Wary of China’s rising influence, Japan has deepened ties with other countries in the region. Japan has cultivated warm relations with several Southeast Asian countries, launched a U.S.-Japan-Australia regional infrastructure financing initiative, and championed the Quadrilateral Security Dialogue with the United States, India, and Australia to improve defense coordination.)」としています。

この報告書の件はニュース1自身が報じているので当然内容も把握しているはずです。そのために米国の本音とやらが殊更気になるようです。