「韓国がOECD内で最高の成長率」→嘘でした、な話

1月5日の年始最初の閣議の場でムンさんは「OECD諸国の中で経済成長1位を記録する見通し」と言っていたのですけれど、嘘だったようです。

あくまで「見通し」の話だから嘘じゃない、と言い逃れできそうにも思われるかもしれませんが、それも難しいんじゃないでしょうか。
というのもOECDが昨年12月に発表した見通しの時点で韓国は29位でした。
とてもではありませんが1位を取れる「見通し」とは思えませんし言えないでしょう。


韓国経済の記事からです。

[単独]ムン、韓国がOECD1位というが..事実でなかった


ムン・ジェイン大統領が「韓国経済が昨年OECD(経済開発機構)加盟諸国のうちで最高の成長率を達成した」と強調したが、事実ではないことが明らかになっている。韓国より良い成績を記録した国家が続々と現れているからだ。

アイルランド中央統計局(CBS)は、昨年の国内総生産GDP)の伸び率が3.4%と集計されたと5日(現地時間)発表した。欧州諸国の中で最高の成績だ。韓国(-1.0%)より4.4ポイント高い数値だ。

これに先立ち、他のOECD加盟国のノルウェーも韓国より善戦した-0.8%の昨年の成長率を発表した。

(中略)

OECD加盟37カ国のうち、昨年の成長率を発表した国はまだ10ヵ国に過ぎない。

(後略)

韓国経済「[단독] 文, 한국이 OECD 1위라더니..사실이 아니었다([単独]ムン、韓国がOECD1位というが..事実でなかった)」より一部抜粋


記事はムンさんの誤認については全く問題視していません。タイトルには付けているのに。
それよりアイルランドの「びっくり成長(깜짝 성장)」の方が気になるようで、欧州で最も低い法人税を武器に積極的に外国企業を誘致し外国人直接投資を導いたおかげ、という分析を載せています。(ウォール・ストリート・ジャーナルの受け売りですが)

ムンさんは以前も不動産の保有税について「先進国に比べると低い」と発言しています。しかし実際はOECD内ではGDPに占める割合が2番目に高かった事が分かっています。
何を根拠にこういうことを言っているのか分からないですが、政策を決める側の人間が事実誤認したままだと怖い気がします。

別ソースですが、国民の力のキム・ギヒョン議員は「大統領と青瓦台参謀が計画的に意図して国民を欺いたと見ざるを得ない」、「ナチスドイツの邪悪な扇動家ゲッベルスが『嘘も100回繰り返せば真実になる』、『99%の偽りに1%の真実を混ぜればより効果的』とした『扇動の法則』をムン・ジェイン政権が積極的に追従している」と、ここぞとばかりに非難しているようです。(選挙が近いですからねぇ)

さて、ここからは余談です。

ゲッベルスが「100回言えば嘘も本当になる」と言ったというのは嘘です、多分。
彼の肉声の録音記録なども残っているようですが、こんな言葉はどこにもありませんし、出典が明記されている引用も見たことがありません。私が知らないだけかもしれません。あるいはまだ見つかっていないだけなのかも。なので「多分」としておきます。

また、100回という回数指定ではなく「大きな嘘でも頻繁に繰り返せば最後には人々はその嘘を信じるだろう」と言った説もありますが、これもやはり原典は見つかっていません。

検索するとそれらしいドイツ語の文章も出てきますし、英訳された文章も流布しているらしいです。主に米国で政治家の「嘘」を非難する際に使われるようです。(キム・ギヒョンさんのやってることと同じ)

ゲッベルスという人は著作や日記では「真実に献身的な自分」を描いています。
そらそうですね、「自分は嘘つきです」なんて日記に書く人はそうそう居ません。ほとんどの人は「自分が目指すものは正しいこと(真実)だ」と考えていて、目的のための手段の一つとして時に「嘘も方便」になるだけです。

ゲッベルスが言った(書いた)ことは「人は通常、我々が想像するよりはるかに原始的である。したがって宣伝の本質は単純さと繰り返しだ」というものが、1942年1月29日の日記の一部に書かれていたようです。
恐らくこの「宣伝の本質は単純さと繰り返し」が独り歩きして「嘘も100回〜」になったんでしょうけど、意味合いが全く変わってしまっています。

今では単に「ナチスと同じ」というレッテル貼りの小道具にしかなっておらず、しかも「ゲッベルスが言った」というのは嘘なのですから、その言葉を持ち出す人も相手と同類というわけです。