バイデン政権の北朝鮮政策の話

就任から三ヶ月以上経ってようやく対北朝鮮政策がまとまったようです。
トランプさん、オバマさんのどちらとも異なる政策である点を強調したそうです。
ただ具体的に何をするのかは発表していません。単に「朝鮮半島の完全な非核化が目標」である点を確認したのみです。


MBNの記事からです。

ベールを脱いだ「バイデン式対北政策」...トランプ・オバマとの差別化


(前略)

ジェン・サキ報道官は現地時間(30日)、バイデン政権の対北政策の検討が完了したと明らかにし「韓半島の完全な非核化を目標外交政策を模索する実用的接近」と紹介しました。
そして一括妥結にも戦略的忍耐にも重きを置かないという点を強調しました。
しっかりした実務交渉よりも首脳間の談判に重点を置いたトランプ式「ビッグディール」とも、外交的関与よりも圧迫に重点を置いたオバマ式「戦略的忍耐」とも距離を置くと予告したのです。

中間地帯で実用的な外交解決策を模索するという基調であるわけです。

(中略)

バイデン政府の今回の発表は2人の歴代大統領の対北接近での成果と問題点を幅広く受け入れ、より効果的な対北政策を駆使するという意志と解釈されます。

サキ報道官は昨日(30日)の定例会見で、韓半島の完全な比較化が目標であることを確認し「過去の政府でこの目標は達成されていないという明確な認識を持っている」と言及した。
問題は、このような「バイデン印の対北政策」が具体的にどのような方法によって実現されるのか、です。

WPは米当局者が北韓に新戦略を伝える計画だが、近い時期に起こるであろう北韓の武力示威を阻止できる可能性は低いと見ていると報じた。

(後略)

MBN「베일 벗은 '바이든식 대북정책'…트럼프·오바마와 차별화(ベールを脱いだ「バイデン式対北政策」...トランプ・オバマとの差別化)」より一部抜粋


VOAの記事で確認しました。確かに「朝鮮半島の完全な非核化(the complete denuclearization of the Korean peninsula)」と言っています。
この表現は韓国が固執していたもので、北朝鮮だけでなく米国の核も対象に含まれている=米軍撤退、という含意があるという説があります。実際2018年には北朝鮮が国営メディアを通じて「米国の核の脅威も対象」と述べたことがあり、韓国が拘るのは恐らくこのためです。(北朝鮮とそういう約束でもしていたとか?)

「中間地帯で実用的な外交解決策を模索する」という分析が出ていますけれども、個人的にそんな悠長な話だろうか?と思います。
トップ間の直談判も圧迫外交もしないとなると、「米国から能動的に働きかけることはない」宣言と同じではないかと思えるからです。

また、MBNの記事では書かれていませんが(恐らく都合が悪いので)、前述のVOAでは政府高官がWPとのインタビューに答えて「完全な非核化という最終目標を達成するまで北朝鮮に対する制裁圧力を維持し続けるだろう」と述べています。
段階的な制裁緩和はあったとしても、それは非核化のアプローチが進展したことに対する見返りとなるはずです。