ムン政権の外交的孤立は自業自得という話

韓米首脳会談が行われましたが、発表内容についてはまた後日見ていこうと思います。

今日は会談に先駆けてソウルで実施されたカンファレンスについてです。
米国シンクタンク戦略国際問題研究所のビクター・チャさんがムン政権は「南北関係に執着したために外交的孤立を招いた」と指摘しました。
韓国がアジア太平洋地域で「疎外」されているという話は以前にもありました。この時は主に日韓関係に絡めて関係改善を促す内容でしたが、今回はあくまでアメリカの立場から「アメリカサイドに付くべき」とするものです。


朝鮮日報の記事からです。

「ムン政権、南北関係に執着し外交孤立を招く」


ムン・ジェイン政府が南北関係に執着し、外交孤立を招いたという指摘が21日に提起された。米国戦略国際問題研究所CSIS)主席副会長のビクター・チャ韓国頓座はこの日、韓米同盟財団・韓米軍戦友会の共同主催でソウル・ミレニアム・ヒルトンホテルで開かれた「韓米首脳会談成功に向けた韓米同盟平和カンファレンス」でこのように明らかにした。

チャ頓座は「韓国はアジアの主要民主国家からますます孤立している」とし「北韓と南北関係に対する執着が、より大きな地域構想に対する関心と注目を分散させたため」と述べた。今後、米中派遣競争が激化するほど韓国が「二者択一」の状況に追い込まれるとも見通した。チャ頓座は「韓国は米国が主導する国際秩序に加盟する場合、中国が否定的に反応し、サード論争の中でそうだったように、中国の経済報復を懸念する」とし「しかし、韓国が今後一人で中国を相手にすることになる、という点が現在韓国が孤立している傾向の重要な戦略的含意」と述べた。

チャ頓座は「自由主義秩序に対する中国の挑戦に一人で対するということは、仲間の民主国家と共にすることよりはるかに難しい」とし「米中競争が激しくなるにつれ、韓国は難しい選択をせざるを得ない」と述べた。続いて「ヘッジ(危険分散)や時間を引き伸ばしながら臨むより突っ張り戦略は韓国の利益ではなく、韓米同盟にも良くないし、より大きな中国の圧力をもたらす」と述べた。

(後略)

朝鮮日報「"文정부, 남북관계 집착하다 외교 고립 자초"(「ムン政権、南北関係に執着し外交孤立を招く」)」より一部抜粋


「頓座」というのは、「金銭的援助を受けて研究活動を行う学者や博士」を指します。こういう制度を「頓座制度」と呼ぶようです。
戦略国際問題研究所CSIS)は各国政府(日本政府も)から資金提供を受けていますから、まさに「頓挫制度」による研究機関ということになるため「頓挫」と表記されています。日本だと「博士」とか「研究員」とされる方が一般的だと思います。

中国からの圧迫を韓国が一国で受け止めなければならない状況こそが、韓国が孤立している証左、というのはなかなか鋭いツッコミですね。
北朝鮮に執着するあまり、その他の友好国との関係を疎かにし、結果的に中国から「圧迫」された際に支援してくれる近隣諸国が居ない...おや、完全に自業自得ですね?
対中政策、対北政策を完全分離して考えることが出来ないという意味でもありますね。