韓国裁判所「徴用工像は日本人と見なすに相応の理由がある」という話

韓国で作られた徴用工像は「日本人がモデル」と考えられます。
正確に言うと、1926年9月9日に北海道の旭川新聞で報じられた道路工事現場で起こった作業員への「虐待」事件、この記事に付けられた写真が後に「徴用工の写真」として韓国の教科書に載るなど流用され、更にそれをモデルに像が作られた、という流れです。

このとき写真に写っていた作業員は全員、日本人と思われます。新聞が1926年のものだからです。徴用はもっと後です。

で、この件(徴用工像は日本人)は韓国でも知られています。
しかし像の製作者である夫妻キム・ウンソンさん、キム・ソギョンさんは「像のモデルは日本人」を虚偽事実として名誉毀損の損害賠償訴訟を起こしていました。
そして本日、裁判所がその訴えを退けました。

ちなみに、キム夫妻は慰安婦像(平和の少女像)の製作者でもあります。


朝鮮日報の記事からです。

裁判所「徴用労働者像のモデル、日本人と見なすに値する理由がある」


議政府地裁高陽支院民事7単独のイ・グンチョル判事は2日、キムさん夫婦がキム・ソヨン大田市議員を相手取って起こした損害賠償請求訴訟を棄却したと明らかにした。

裁判官は棄却事由として、2019年3月20日頃、「小学校教科書に掲載された強制徴用労働者の写真が韓国人ではなく、日本人であることが明らかになった」という記事が複数のメディアに報道された点、冊子などに「この事件の労働者像のモデルが韓国人ではなく、1926年9月9日付の日本の「『旭川新聞』に掲載された強制労働に苦しめられ、警察に救出された日本人労働者」と言及している点などを根拠に挙げた。それとともに「日本人だと信じるに値する相当の理由があったとみられる」と判断した。当該写真は2014年から2017年まで韓国史7種の教科書に「朝鮮人強制徴用」などの題で掲載された。

このほか裁判所は「キム・ソヨン大田市議員が報道資料や自身のフェイスブックなどを通じ『日本人をモデルにした強制徴用労働者像設置は歴史歪曲として是正すべきだ』などと主張したことは公共の利益と関連がある」とし「公益のためのものであるときは指摘した内容が真実であることが証明されなくても真実だと信じるに足る相当の理由がある場合は違法性がないとみるべきだ」と説明した。続いて「キム作家夫婦が労働者像のモデルが日本人ではないという点に対する証明責任を果たしていない」と説明した。

(後略)

朝鮮日報「법원 “징용노동자상 모델, 일본인으로 볼 만한 이유있다”(裁判所「徴用労働者像のモデル、日本人と見なすに値する理由がある」)」より


言い方は悪いですけど、でっち上げた証拠を用いないと像一つ作れないんですね。徴用工に関しては他にもドキュメンタリー制作会社が取材の際に壁にそれらしい落書き(おなかすいた的な)をして番組内で使ったことがありましたし。

多分ですけど、韓国人が「あった」と信じている徴用工への虐待を示す証拠が「ない」という事実が、彼らの認識の中で齟齬を来すんでしょう。
そのため現実を認識に寄せようとしてしまうんだと思います。
「このような落書きがあった(に違いない)」「日本が痕跡を消した(に違いない)」の前提で見るから、この写真を見つけた人もなんの疑いもなく「徴用工の写真」としか考えなかったのかもしれません。