台、越への日本のワクチン支援、韓国は面白くないらしい話

台湾に続き、ベトナムへも日本からワクチン支援が行われることになりました。台湾へは追加が送られる計画です。(しかし台湾へのワクチン提供が計画発起からわずか10日で第一陣が実現したというのが素晴らしい)

ベトナムへは先方からの要請を受けて、ということですけれど多分、台湾へのワクチン提供の動きを見てのことでしょう。今から製薬会社とワクチン購入交渉をしても、実際にワクチンを手に出来るまでのは何ヶ月も先になります。それからようやく接種です。時間が掛かり過ぎます。

で、この件は当然と言うか韓国でも報じられています。ちょっと前まで米国のワクチン支援国に「韓国はあるが日本はない」と喜色を滲ませた記事を連発していました。けれど実は日本はワクチンを「強請る」側から「送る」側に立ち位置を変えていただけでした。
これは韓国が狙っていたはずのポジションです。そのせいか、記事へのコメントはネガティブなものが大半となっています。


イーデイリーの記事からです。

台湾にAZワクチン送った日本、ベトナムも支援する


日本が台湾に続き、ベトナムにもコロナ19ワクチンを送る案を検討しているとNHKが5日報じた。

(中略)

NHKは「日本がベトナムからワクチン供給の要請を受け、早ければ今月中にもワクチンを送ることが出来るだろう」と報じた。ただ、どのワクチンを送るかについては伝えなかった。

(中略)

日本はAZワクチンを正式に承認したが、稀に血栓症の発生などの副作用が報告されたことを受け、当分の間使用を避けることにした。日本政府が確保したAZワクチンは1億2000万回分に達する。このうち日本企業が9000万回分の委託生産を引き受け、すでに生産に入っただけに生産されたAZワクチンは保存期間が切れる前にワクチン不足の国に支援することにしたものだ。

イーデイリー「대만에 AZ 백신 보낸 일본, 베트남도 지원한다(台湾にAZワクチン送った日本、ベトナムも支援する)」より


現在、AZワクチン(バキスゼブリア筋注)の日本国内生産は、ワクチン原液の生産をJCRファーマが行い、第一三共、KMバイオ、ニプロの三社が製剤化(容器に充填して包装)しています。

記事に付いていたコメントは概ねネガティブです。
「東南アジアへの懐柔策」や「ファイザーではなくAZなのに恩着せがましい」など...ベトナムからの要請を受けて、という部分は見えなかったようです。また自分たちが米国から受け取ったのもファイザー製ではないということ(AZとヤンセンは同じ方式のワクチン)も忘れたようです。

ベトナムがどれほどワクチン確保に苦労しているかは次の記事で窺い知ることが出来ます。

聯合ニュースの記事からです。

ベトナム「ワクチン費用出せ」全方位からの要求に韓国企業「冷や汗」(総合2報)


(前略)

4日、現地業界によるとベトナム政府は韓国企業に電話などでワクチンファンドへの参加を要請したことが確認された。
これとともに携帯電話加入者にも一斉にメールを送ってワクチン基金作りに参加して欲しいとし、入金口座まで公示した。

ホーチミンにあるA社は最近、地元政府の関係者からワクチン基金を出して欲しいという要請を受けた。
A社の関係者は「当局から電話を受けた後、現金を渡せば我々の職員がワクチンを受けられるか、と聞いたら『それは断言できない』という答えを聞いた」と話した。

(中略)

企業だけでなく、公共機関も同様の要請を受けた。
ある公共機関関係者は「当局に財源がないと説明したが『企業からの支援を受ければ十分用意できる』と繰り返し支援を要求された」とし「誠意を示すしかない状況」と伝えた。

ベトナム中央政府は最近、民間企業の支援を受けてワクチン購買ファンドを用意するという計画を発表している。
ベトナム政府は計1億5000千万回分のワクチン準備のため、11億ドル(1兆2千317億ウォン)規模の財源を配分した。
現地の消息筋によるとベトナム政府は現地の公企業や民間企業の助けで、既に相当規模の財源を調達しているという。
しかし韓国をはじめ外資系企業からはまだ公式的にファンドに参加していない。

(後略)

聯合ニュース「베트남 "백신비용 내달라" 전방위 요구에 한국기업들 '진땀'(종합2보)(ベトナム「ワクチン費用出せ」全方位からの要求に韓国企業「冷や汗」(総合2報))」より