トロイの盾作戦の話

オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマークエストニアフィンランド、ドイツ、ハンガリーリトアニアニュージーランド、オランダ、ノルウェースコットランドスウェーデン、イギリス、アメリカ...16カ国の捜査機関による合同オペレーションで800人以上が逮捕される大規模摘発が行われたそうです。

共通点はAnomという暗号化プラットフォームを使用していたこと。特に麻薬取引やマネーロンダリングに関する情報のやり取りに使われていたのですが、これには致命的なバグがありました。
それは、やり取りが全て捜査機関に筒抜けだったことです。
FBI主導のおとり捜査のために作られたデバイスだったのです。そうとは知らず2018年以降、12,000機以上が300以上の組織で利用されていたのだとか。作戦名は「Operation Trojan Shield(トロイの盾作戦)」。


ドイツのDeusche Welle(ドイチェ・ヴェレ)やVOAなどの報道によると、2018年から約18ヶ月かけて行われた作戦だそうです。
800人以上の容疑者が逮捕され、32トン以上の違法薬物、250丁の銃、1億4800万ドル以上の現金とデジタル通貨、55台の車などが押収されたそうです。

Anomネットワークの広がりは100ヵ国以上におよび、地図で可視化されています。

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色の付いた所でAnomを使った何らかのメッセージがやり取りされていることを示しています。
先進国とか主要国とか言われる国・地域は漏れなく入っているように見えて、日本はまっちろけです。完全にハブです。ジャパン・パッシングです。こんなパッシングなら大歓迎ですが。

もしかして、日本人が英語苦手なお陰でしょうか?とか思ってみたり。
振り込め詐欺グループは国際組織という話も聞きますが、使ってなかったみたいですね。