「これが韓国の地位」G7広報ポスターから南ア大統領を消した話

韓国政府が「これが韓国の地位」としてG7の集合写真を加工した広報ポスターをSNSに投稿したらしいのですけれど、なんと南アフリカ共和国の大統領をトリミングで消していたそうです。
制作過程で「見栄え」を良くしようとして起こったミス、と説明しているようです。


朝鮮日報の記事からです。

「これが韓国の地位」G7写真から南アフリカ大統領を切り取った政府


政府がムン・ジェイン大統領が参加する主要7ヵ国(G7)首脳会議広報の過程で集合写真から南アフリカ大統領の写真を切り取ったと14日分かった。政府側はイメージ制作の過程で起こったミスという立場だ。

(中略)

政府側は今月13日、G7首脳会議で英コーンウォルのカースベイの両者会談場で、ムン大統領をはじめ各国首脳らの団体写真をソーシャルメディアSNS)や公式サイトなどに掲載した。前列中央に英国のジョンソン首相、両脇にエマニュエル・マクロン仏大統領とムン大統領が立っている写真だった。

前列の両端にはバイデン米大統領(右)、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領(左)も並んでいた。しかし政府が当初配布した「写真一枚で見る大韓民国の地位」という広報ポスターにはシリル・ラマポーザ南アフリカ共和国大統領が削除された状態だった。首脳会議の団体写真から一部の国家首脳だけ切り取る行為は外交欠礼だ。

韓国政府は広報ポスターで「この写真は大韓民国の地位である」とし「我々はここまで来た」と主張した。続いて「偉大な国民と政府が共にしてきた血の滲むような努力の結果」と感激的だ。「すべて国民のおかげ」と付け加えた。ムン大統領の後ろに2列目に日本の菅義偉首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、カナダのジャスティン・トルドー首相らが立っていたが、これが変化した韓国の品格を象徴する、という趣旨だった。

(中略)

しかし「写真原本」は外信を通じて既に広く公開されていた。政府が配布した編集版から南アフリカ共和国大統領が切り取られていたことが確認されると、オンライン・コミュニティを中心に「大韓民国の地位を際立たせるために南アフリカ共和国大統領を意図的に切ったのか」「もっと捏造と扇動を持ってきてみろ」「南アフリカ共和国もこうしているのか」という批判が提起された。南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領が、同席した各国首脳の中で唯一の黒人という点で、ややもすると人種差別問題になる可能性もある、という指摘も出た。

(中略)

文化体育観光部国民疎通室の関係者も本紙の電話取材に対し「デザイナーが写真を掲載する過程でよりよく見えるよう編集したが、これをきちんと判別できなかった過ちがある」とし「思慮深くなかった点を認め、誤りが発見されてすぐに写真の交換に乗り出した」と話した。その一方で「ムン大統領を引き立たせようとしたのではなく、単なる制作上のミスだ」と指摘した。

朝鮮日報「"이것이 대한민국 위상" G7사진서 남아공 대통령 잘라낸 정부(「これが韓国の地位」G7写真から南アフリカ大統領を切り取った政府)」より


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大韓民国の位相」をアピールする広報ポスターで「ムン大統領を引き立たせようとしたのではなく〜」なんて有り得ます?

まあ、それを差し置いても失礼な話です。
普段自分たちは何かあると外交欠礼された、と大騒ぎするのに自分たちの行いにはあまりにも鈍感ではないでしょうか?

記事内で少し触れられていますけれど、韓国が日、独、カナダより前の一列目というのを「国格による序列」としてアピール(?)する意図があったのかは分かりません。が、この並びは「国格」とは関係ありません。ちゃんと見れば分かります。
最前列はホスト国の英国以外、「大統領」の肩書を持った国家元首が並んでいます。
二列目以降は全員「首相」の肩書です。(伊には大統領が居るけれども来ているのはドラギ首相)
「首相」はあくまで行政府の長であり国家元首じゃないので儀礼的な序列という意味でなら、たしかに「大統領」が上でしょう。

日本の外務省HPに掲示されているG7首脳の集合写真は9人しか写っていませんが、これは今回のゲスト4ヵ国(韓国、インド、豪州、南アフリカ)を除いた本来のG7メンバー国と欧州委員会の委員長、欧州理事会議長だけで撮影された写真だからです。切ってませんよ。

また首相官邸HPにはG7及び招待国首相との集合写真が掲載されていますが、こちらも切ってませんよ。

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首相官邸HPに掲載されている写真。仁王立ちしてるトルドーさんの陰になっちゃってドラギさんがほぼ見えない...。