【バンダーさん】「韓国が日本に追いついたって?現実を知らない声!」の話

趙甲濟(チェ・ガプジェ)ドットコム」よりバンダービルドさんのコラムから「韓国が日本に追いついたって?現実を知らない声!」です。


韓国が日本に追いついたって?現実を知らない声!

2020年の総合成績表(経常収支)は韓国が「752億ドルの黒字」、日本が「1700億ドルの黒字」である。

2020年に韓国が輸出入活動を通じて得た成績表(貿易収支)は456億ドルの黒字だ。貿易収支は輸出額から輸入額を差し引いた金額である。日本の場合、2020年に「280億ドル水準の黒字」だった。韓国が日本を圧倒した(486億 vs 280億)韓国で「日本に追いついた」という声が出るのも無理はない。特にYouTubeの活性化により「国粋主義」(いわゆるググポン)YouTuberたちが雨後の筍のように生まれ、こうした声が高まっている。

ところが総合成績表を見ると事情は変わってくる。貿易収支は個別科目の点数である。「経常収支」の数値が総合成績表といえるが、ここには貿易収支、サービス収支、所得収支、移転収支という4科目の成績が含まれる。

- 貿易収支:商品輸出入成績
- サービス収支:航空・船舶運賃、観光などのサービス成績
- 所得収支:海外融資資産によって発生した配当・利子などの取得成績
- 移転収支:海外同胞への送金、政府間無償援助などの反映成績

このうち、サービス収支は韓国の長年の赤字科目で、日本の場合はコロナの影響で最近赤字に転じた。移転収支は両国ともその比重は大きくない。2020年の総合成績表(経営収支)は韓国が「752億ドル黒字」、日本が「1700億ドル黒字」だ。貿易収支sという個別科目では日本を圧倒(456億 vs 280億)したが、総合成績はダブルスコア以上で日本に押されたものだ(752億 vs 1700億)。

逆転したのは韓国と日本が保有する対外純資産規模の違いのためだ。対外純資産は対外総資産から対外総負債を差し引いた金額である。日本財務省が5月に発表した2020年末現在の日本の対外純資産規模は「356兆9700億円」だった。円・ドルレートによって多少変わるがおおよそ「3兆5000億ドル」前後になる。30年間、日本がこの分野で世界1位の座を守っている。つまり数十年にわたり「不動の世界一」の純債権国が日本ということだ。韓国の対外純資産は2014年以前までは赤字で純負債国に属していたが2014年第3四半期から黒字に転じ、その後増え続け現在は5000億ドルに達している。

対外純資産は主に株式や債券の形態で構成される。したがって、それに伴う配当と利子収入が自然に発生する。「対外純資産」の波及効果を見てみよう。2021年1月から3月までの韓日両国の貿易収支の成績は以下の通り。

- 1月:韓国 57億ドル黒字 vs 日本 12億ドル赤字
- 2月:韓国 60億ドル黒字 vs 日本 48億ドル黒字
- 3月:韓国 79億ドル黒字 vs 日本 90億ドル黒字

3ヶ月合計(第1四半期)、韓国が196億ドル黒字で日本が126億ドル黒字で韓国が日本を圧倒した(196億 vs 126億)。今度は同期間の総合成績表に該当する経常収支の方を見てみよう。

- 1月:韓国 71億ドル黒字 vs 日本 59億ドル赤字
- 2月:韓国 79億ドル黒字 vs 日本 265億ドル黒字
- 3月:韓国 78億ドル黒字 vs 日本 241億ドル黒字

経常収支では韓国が228億ドルの黒字で日本が565億ドルの黒字でダブルスコア以上で日本がリードした(228億 vs 565億)。こうした逆転をもたらしたのがまさに所得収支(海外から稼いだ配当・利子などの収入)だ。所得収支の方も見てみよう。

所得収支が2021年第1四半期に韓国が57億ドル黒字の黒字、日本が558億ドルの黒字で、ほぼ10倍の差がある。以上のような21年第1四半期(1-3月)の数値をもとに21年の年末基準、つまり年間実績を算術的に予想すると、(第1四半期数値×4)こうだ。

- 韓国:貿易収支784億ドル黒字、所得収支228億ドル黒字、経常収支912億ドル黒字
- 日本:貿易収支504億ドル黒字、所得収支2232億ドル黒字、経常収支2260億ドル黒字

GDPに占める貿易(輸出+輸入)の割合である「貿易依存度」はどのような状態か?2020年基準で韓国は62%だ(輸出入金額9800億ドル/GDP 1兆5867億ドル)。一方、日本は25%に過ぎない(輸出入金額1兆2500億ドル/GDP 4兆9106億ドル)。つまり世界的な経済危機に見舞われたとき、貿易依存度が低い日本は内需だけでも持ちこたえることができるが、内需基盤が相対的に弱い(貿易依存度62%)韓国の場合、厳しくなる可能性があるということだ。

ある2人がそれぞれ事業体を運営しているが、1人は主な収入源が該当事業であるため、景気の浮き沈みによっては困難に陥る可能性もあるが、もう1人はビルを所有しているおかげでそこから得られる賃貸収入が事業所得をはるかに超える余裕のある状況ということで、今日の韓日両国の違いを例えることができそうだ。

このほか、大卒就業率(韓国68% vs 日本ほぼ完全雇用)、出生率(韓国0.84人 vs 日本1.38人、女性1人が妊娠可能期間に産む子供の数)、高齢者の過去10年間の年平均増加率(韓国4.4% vs 日本2.2%)、高齢者貧困率(韓国43,4% vs 日本19.6%)など主要指標を見ると予見される未来の姿さえ、韓国が日本に比べて決して有利な状況ではない。

余談として、日本の国家負債率が高止まり(2020年末基準で226%GDP対比)する現象を巡り「日本はもうすぐ滅びる」と期待感に満ちた韓国人が意外に多いようだが、こうした期待は無知から始まった錯覚に過ぎない。日本政府の負債の9割近くを占める大半は、日本国民が国債の形で保有している。したがって最悪の場合、債権者である日本国民が一時に政府に対して債券償還を要求しても日本政府は自国通貨である円を発行して全額返済すればよい。そして、そうして国家負債をほぼ解消した状態で日本政府は再び国債発行を通じて資金を調達し、必要なところに資金を使えばよいのだ。

理論上、このような過程(円貨を刷って借金を返すこと)で円貨の価値が一時的に下落する可能性があるが、円は国際的に通用する代表的な安全資産であるため、円貨需要先(円貨を買い入れる外国人など)を探すことは全く難しいことではない。ところが日本は基軸通貨発行国のおかげでこうした措置が可能であり、もし他国が真似をすれば自国の通貨価値の暴落と物価の暴騰などの混乱により、その国はほぼ国家不渡り状態に突入するだろう。韓国と日本の間には目に見える数字(所得収支、貿易依存度など)の向こうにこのような大きな壁(基軸通貨国かどうか)が存在するのが厳然たる現実である。

以上のような事実に目覚めたら「韓国が日本に追いついた」という考えは、少なくともまだできないだろう。2020年の韓国の貿易収支は「黒字456億」であるが、特に日本に対してのみ208億ドルの赤字が見られた。不買運動にも関わらず前年度比で赤字幅がむしろ17億ドル増えた。このような日本向けの慢性的な貿易収支赤字は先端素材・部品・設備の対日依存度が依然として存在するという現実を物語っている。このような二者の厳然たる実力差を見逃し、まるで日本に追いついたかのように大げさに言うのは愚かなことだ。氷山の一角(貿易収支)だけを見て即断するのは無知の致すところだ。無職といえば勇敢だというのか。「竹やり歌」云々し、「二度と日本に負けない」という虚言が思い浮かぶ。

趙甲濟ドットコム「韓國이 日本을 따라잡았다고? 현실 모르는 소리!(韓国が日本に追いついたって?現実を知らない声!)」より