イタリアの韓国隔離免除対象除外は妥当ではないかという話

イタリアは今月1日から一部の国・地域からの入国者で、条件を満たしている場合に限り自己隔離を免除しています。
条件はワクチン接種が2回完了済み、あるいは既に感染回復しており抗体がある人、検査で陰性判定を受けた人です。対象地域はEU加盟国、ノルウェー、スイス、米国、日本、イスラエルです。

この件で中央日報など韓国メディアは「日本には適用されて韓国には適用されない点が疑問」としています。韓国のワクチン接種者は全国民の約30%、日本の23%より多いからというのをその理由に上げています。

韓国外交部はイタリア保健当局に自国の防疫成果をアピールしたようですが対象国には入りませんでした。
これを、単に防疫の話ではなく観光客の消費行動(日本人観光客の方が韓国人観光客より消費が多い)の影響では?とする見方もあるようです。

全く無いとは言い切れません。が、多分違います。主要因はワクチン接種の速度にあるものと思います。


以下は韓国のワクチン接種状況に関する記事です。時事ジャーナルの記事からです。

ワクチン一次接種率30%超え...2次接種は依然として10.5%


7日午前0時基準の国内ワクチン1次接種が1540万1361人を記録し、接種開始130日目に接種率30%を超えた。2次接種完了者は536万8227人(10.5%)である。

コロナ19予防接種対応推進団によるとこの日の0時基準で新規1次接種が5万2785人増え、合計1540万1361人となった。

(中略)

前日1日での2次接種は4万2046人だった。これで2次接種まですべて終えた人は536万8227人に増えた。

(後略)

時事ジャーナル「백신 1차 접종률 30% 넘어…2차 접종률은 여전히 10.5%(ワクチン一次接種率30%超え...2次接種は依然として10.5%)」より一部抜粋


1次接種人数が1日5万人、2次接種が4万人、併せても10万人に届いていません。信じられない低水準なのですがそれでもネットニュース記事のコメントなどでは「日本の接種は韓国より遅れている」という認識が主流のままです。

実際の日本は、日経が集計しているデータチャートを参照すると1日当たりの接種回数は6月25日に122.4万回の接種を記録しています。これはワクチン接種が始まってからの最高値です。同日の7日移動平均(7日毎の平均値の推移)を見ても116.8万回の最高値です。
6月の一ヶ月間に1次接種が40万人を下回った日はありません。

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「チャートで見る日本の接種状況 コロナワクチン」より


累計接種回数はキレイに右肩上がりです。1日あたりの接種回数に多少のバラツキがあったとしてもコンスタントに接種が行われていることを意味しています。

韓国の方はグラフ化された集計は見つけられませんでした。疾病管理本部がまとめている日報データから雑におこした物なので、少し見辛いですがご容赦を。

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青が一次、赤が二次です。わかりますでしょうか?累計摂取状況が1500万人を超えた所で頭打ち状態です。
日別を見るともっと分かりやすく継続的な接種が行われていないことが見て取れます。一次接種なんてほとんど行われていません。(4日の一次接種実績は0人です)

確かに静的に接種率を切り取って見れば「韓国30%、日本23%」だったのかもしれませんけれど、動的に見ればこの様です。 それで「日本と同じ状況」を主張したとして通じますかね?