【バンダーさん】「台湾の華麗な復活と韓国の選択」の話

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「台湾の華麗な復活と韓国の選択」です。


台湾の華麗な復活と韓国の選択

個人が選択を誤ると最悪、身を滅ぼす程度だが、国家が選択を誤ると「亡国」になってしまう。

近頃、台湾ほどホット(Hot)な国はない。ちょうど半世紀前に国連の舞台で侮辱同然の悲しみを抱えて退場した台湾だ。コロナで大部分の国が苦しかった昨年も経済成長率が3%を超えた。30年振りに中国(2.3%)を追い越した数値だ。台湾を支える経済力の核心は半導体である。TSMCは世界のファウンダリー(半導体委託生産)市場の56%を占めている。今後、米国など天文学的投資を続ける計画まで持っているため、シェアはさらに拡大する見通しだ。TSMCの生産に支障が生じると各国の先端製品生産ラインは混乱に陥るしかない構図となった。これまで中国が単純な「世界の工場」の役割をしてきたとすれば、今日の台湾は「世界の先端工場」の役割を果たしている。

これらの重要な台湾が地理的に中国大陸の可視圏にあるという現実は、米国、日本、豪州などの自由陣営の結束を導いた。中国を牽制するため米国政府は世界の半導体供給網(Supply Chain)の点検に乗り出し、台湾(TSMC)の胎便投資を歓迎しており、日本もワクチン支援および台湾産パイナップルの輸入などを通じ台湾との友好を一層高めている。2021年1月、米国トランプ政府は米国政府用心と台湾政府要人間の接触を制限していた指針(ガイド)を廃止すると宣言した。中国が重視する「ひとつの中国原則」に真っ向から対抗する措置だった。3月にバイデン政府は米国と台湾間の海洋警察協力了解の覚書を締結し、4月には高官級の米国代表団を台湾に派遣した。国連駐在米国大使「ケリー・クラフト」は1月に「全世界が中国の台湾排除に対抗しなければならないときだ。米国は永遠に台湾側にある」というメッセージを発信した。日本の菅首相は6月に公式の席上で台湾について「国家」と呼んだ。

台湾の存在感をこのように急浮上させたのは逆説的に「中国」である。無色無臭に近かった前人リーダー(江沢民胡錦濤)に比べ、習近平は「中国を世界で最も強力な国にする」という欲望に満ちている。「まずアジアを平定し、機会を見て米国を破って最強になる」というのが習近平の大きな絵だ。習近平このような爪を公式的に露わにしたのは2012年2月だった。国家主席になる1年前、副主席の資格で米国を訪問した習近平オバマ大統領に向かってこのように述べた。

「広大な太平洋は中国と米国という二つの大国を受け入れるだけの空間がある」

つまり中国は米国の利益を侵害しないため、米国もアジアで中国がいかなる行動をしようとも口出しするなということだ。これが習近平が米国に向けて唱えている「新大陸関係」(New Power Partnership)という。2017年にトランプ大統領の伝言を通じて知られた習近平の発言(「韓国は中国の一部」)もこのような思考(新大陸関係)に基づいたものだといえる。習近平は2013年に政権を獲得するやいなや爪を露骨に露わにした。東シナ海防空識別圏宣言、人工島造成、尖閣紛争化など、膨張路線を明確にした。

加えて韓国を自由陣営から引き離すために習近平は執拗に関与した。中国は米日主導の世界銀行(IBRD)及びアジア開発銀行(ADB)に対抗するため「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を推進した。朴槿恵政府に向けた習近平のAIIB加入要求は執拗であり、これに対抗した米国の加盟不可への圧力も無視できなかった。

「米国の反対に賭けるのは良い賭けではない」(It's never been a good bet to bet against America)

米国と中国の間で起きた左顧右眄の朴槿恵大統領政権下で今の米国大統領「ジョー・バイデン」(当時副大統領)は2013年12月に発した言葉だ。2年の長考の後ついに朴槿恵政府は2015年3月にAIIB加盟を公式宣言した。当時、韓国内には流行病のように等距離外交の風が広がっていた。選択の岐路はまた訪れた。習近平が戦勝節の行事に来てくれるよう強く要請した。朴槿恵大統領は1年の長考の末、2015年9月の天安門望楼に登った。米国、日本、欧州など自由ジネイのトップが一人も出席しなかった状態で朴槿恵大統領は、習近平プーチン大統領潘基文総長と共に人民解放軍閲兵式を見守った。

岐路は終わっていない。今回は「サード」(高高度ミサイル防衛システム)配備問題で熟考に入った。すでに米国に2敗(AIIB、戦勝節)を与えた状況でサードまで中国の肩を持つのは強い罪悪感があったのか、2年間の紆余曲折を経て最後に朴槿恵政府は2016年7月にサードの配備を発表した。以後、中国の報復(ロッテ圧迫、観光客の制限など)が執拗に繰り返され、文在寅政権は習近平に向かって「高い峰(中)、小さな国(韓)」などとし、3不(追加配置、米MD、韓米日同盟NO)を約束する屈辱を見せた。中国の膨張を牽制するための準NATO級「安保協議体(クアッド、Quad)」については文在寅政権が当初から関心もなく、米国はまた文在寅政権の属性を既に知っているので勧誘さえない状態だ。

習近平政権以降に訪れた4度の岐路で韓国は3度は中国側につき(AIIB、戦勝節、クアッド)、1度だけ米国側についた(サード)。こうなると韓国は果たして米国の同盟なのかという疑念を抱かざるを得ない。中国の膨張主義が続くなら、米国、日本など自由陣営は近く「台湾に対する国家認定」というカードを取り出す可能性が高い。中国、露の拒否権により台湾が国連入りをするのは当面困難でも米国、日本など自由陣営国家が団結し台湾との国交を一斉に回復することにより台湾を事実上の国家と認める雰囲気を作ることはいくらでも可能だ。「ひとつの中国」を叫ぶ中国に向かって「二つの中国」で圧迫する格好となる。

こうなれば台湾を挟んで米国、日本など自由陣営と中国の間に「勢力集め対決」が繰り広げられる可能性が濃厚だ。韓国はAIIBに加盟し、戦勝節に出席してクアッドを拒否したように、再び中国側につき台湾を国家と認めることを拒否するのか?同盟の米国に対し現在「1対3」という屈辱的なスコアを与えた韓国が、その時に再び中国の肩を持つことになれば米国は韓国を救済不能扱いするだろう。それだけではなく、今までは中国の肩を持ったことにより米国から冷たく見られるだけで終わったが、そうなれば台湾からの怨望ないし怨恨まで抱え込まなければならない。台湾を支持する自由陣営の多くの国から冷たい視線も教授しなければならない。簡単に言えば「そっぽ向かれる」ものである。

個人が選択を誤ると最悪、身を滅ぼす程度だが、国家が選択を誤ると「亡国」になってしまう。

趙甲濟ドットコム「대만(台灣)의 화려한 부활(復活)과, 韓國의 선택(選擇)(台湾の華麗な復活と韓国の選択)」より


台湾には台湾の、韓国には韓国のそれぞれの事情があるんですから、違ったとしてもそれが理に適った利になる選択であれば別に構わないと思うんですけどね。同じく日本の統治を受け、少なからぬ影響を受けた二カ国(あえて「国」とします)なのに、なぜこうも違うのか?という思いがあるのかもしれません。(比較して優劣を付けたがるのは韓国人らしい気もします)

個人的に中国の考える「人権」や「自由」は日本人が考えるそれとは大分隔たりのあるものだと感じるので日本が中国サイドに立つことはあってはならないと思います。

「そっぽ向かれる」と訳した部分の原文は「왕따(ワンタ)」となっています。バンダーさんのコラムには以前も出てきた単語ですけれど、これは辞書的に「集団内でのいじめ、仲間はずれ」とされる単語です。
が、文の流れとして「自分の行動により招いた結果」という自業自得感があるので「いじめ」と訳すのは適切とは思えませんでした。