【バンダーさん】「日本には高姿勢で中国には低姿勢、親文団体の二面的な振る舞い」の話

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「日本には高姿勢で中国には低姿勢、親文団体の二面的な振る舞い」です。


日本には高姿勢で中国には低姿勢、親文団体の二面的な振る舞い

韓国の自尊心を本当に考えるなら、日本外交官の失言より、むしろ中国外交官の内政干渉発言に憤慨するのが正常だ。

「積弊精算国民参与連帯」という団体が7月19日「相馬弘尚」駐韓日本総括公使を告発し、ソウル警察庁は7月28日、傘下の反腐敗・公共犯罪捜査隊が捜査に乗り出すと明らかにした。相馬総括公使は7月15日、あるマスコミとの非公式会談で「マスタベーション」という失言をしたが、これが大統領の名誉を毀損したという。

告発団体の代表は「シン・スンモク」という人だ。この人は2021年1月22日、自身のフェイスブックに「最も重要なことは、亡くなったパク・ウォンスン市長*1の名誉回復のため、必ず真実を明らかにし、女性秘書とキム・ジェリョン(弁護士)を拘束し実刑判決を受けさせることです。女性秘書に対する誣告・殺人罪告発のための国民告発団募集文をすぐに掲載します」と書き込んだ。また、「積弊精算国民参与連帯」は7月14日にパク・ウォンスン前市長に対する死者名誉毀損でチョ・ソンピル部長判事、キム・ジェリョン弁護士、カロゼロ研究所*2の関係者ら6人を警察庁に告発した。

この団体は2021年2月10日、チョ・グク前法務長官の子女(「チョ・ミン」)に対するメディア報道と関連し、以下の多数の人を警察庁に告発した。

-中央日報アン・ヘリ記者、他姓名不詳者:名誉毀損個人情報保護法違反、公務上の秘密漏洩の疑い
-国民の力キム・ジェゾプ:名誉毀損の疑い
-小児精神科医師会イム・ヒョンテク、他姓名不詳者:名誉毀損業務妨害容疑など

この団体はまた、国民の力のイ・ジュンソク代表を兵役法違反の疑いで警察庁に告発した。代表のシン・スンモクという人のフェイスブックの書き込みの中には次のようなものもある。

「呆れます。キム・ギョンス慶尚南道知事の有罪確定。このままやられているわけにもいきません...政治的起訴をしたホ・イクボム特検に対して弾劾訴追しなければなりません。民主党の議員の皆さん、自分のことじゃないからってこのままやられてばかりでいるんですか?何でもしましょう!」(7月21日)

「ユン・ソクヨル夫人の母チェ・ウンスンが不正受給、詐欺で騙し取った療養給与22億9千万ウォン全額回収要求、国民健康保険公団が陳情を提出...チェ・ウンスン厳罰嘆願および22億9千万ウォン返還要求陳情に参加してくださった方々と応援してくださるすべての方々に感謝します」(7月16日)

一言で言うと、「積弊精算国民参与連帯」は「親文団体」として各種告発を主な特技とする。特に名誉毀損分野の専門である。「陳情を入れる」「促す」などの戦術も併用する。

この団体が告発した日本総括公使はは外交官の身分だ。外交官には免責特権が与えられる。国内法の拘束を受けない。相馬公使が警察庁の出頭要請に応じる可能性は低い。悪化した韓日関係上、「加藤達也」(前産経記者)のケースと同様に感情的に流される可能性も排除できない。

外交官に免責特権があるという点を知らずに告発したとすれば、この団体は無知に該当し、もし知っていてそのようにしたのであれば「ひどい目に遭ってみろ」という意味で告発したことに鳴る。どちらにしても好ましくない問題は、この団体が最低限の公平性をも失っているという点だ。日本総括公使の失言には怒り心頭に発しながら、公使より職責の高い中国大使の明白な内政干渉に対しては口を噤んでいる。中国大使は、ユン・ソクヨル大統領選候補者のサードおよび韓米同盟強化関連の言及を問題視し、7月16日にこのように立場を明らかにした。

「韓中関係は韓米関係の付属品ではない。韓米同盟が中国の利益を損ねてはならない。米国が韓国にサードを配備したのは中国の安保利益を大きく損ねた。サード配備前の韓中関係が懐かしい。前後で矛盾する当時の韓国政府の言動が両国間の信頼を損ねた」

韓国の自尊心を本当に考えるなら、日本外交官の失言より、むしろ中国外交官の内政干渉発言に憤慨するのが正常だ。日本と同様にするのなら中国大使はこの団体によって告発されるべきだ。結論を言うと「積弊精算国民参与連帯」という団体は徹底的に自分たちの好みに応じて告発したり、恥も外聞もない「二面的な振る舞い」を見せている。今日、中国が韓国を属国扱いするかのようにし、日本が韓国を露骨に無視するようになったのも、このような類の団体が示す「二面的な行動」と無関係ではない。

趙甲濟ドットコム「日本엔 高자세 中國엔 低자세, 親文단체의 이중적 행태(Point of No Return) 위기(危機)(日本には高姿勢で中国には低姿勢、親文団体の二面的な振る舞い)」より


こうした団体が「名誉毀損」を乱発する場合、裁判で勝つことが目的ではなく相手の信用を毀損することが目的なので告訴の時点で9割方目的を達成しているんですよねぇ。


*1:朴元淳。2020年7月に山中で亡くなっているのが発見されたソウル市長(当時)。部下へのセクハラを告発された直後に失踪、死亡という経緯から自殺の可能性が高いとされている。

*2:「가로세로연구소」。元MBCの記者と弁護士が設立したシンクタンク。ただ主な活動の場はYouTubeらしい。政治、時事、社会問題が主なテーマ。