【バンダーさん】「<危機に強い国、心強い大韓民国>という文在寅のスローガン」の話

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「<危機に強い国、心強い大韓民国>という文在寅のスローガン」です。


<危機に強い国、心強い大韓民国>という文在寅のスローガン

怒らせるのでもなく、最初から経験しなくても良い危機を招き、しなくてもいい苦労をさせておいて、とんでもないスローガンを持ち出した。

青瓦台に設置された会議室の大統領の席の後ろには青字に大きな白文字で<危機に強い国、心強い大韓民国>というスローガンが掲げられている。素晴らしい掛け声だ。さて、下記のような場合であればどうだろうか?

「無能な家長が博打に溺れて財産を使い果たした。妻は食堂で働くしか無く、子どもたちは通っていた塾を全て辞めることになり、参考書を買う金もなく、教科書だけで勉強しなければならなかった。妻と子どもたちは貧しく暮らし、なんとか持ちこたえるしかなかった。ある日、家長が家族に見せつけるように今の壁に大きな字でこう書いて貼った。『危機に強い家庭、心強い家族』」

怒らせるのでもなく、最初から経験しなくても良い危機を招き、しなくても良い苦労をさせておきながら、突拍子もないスローガンを掲げた。そのため<危機に強い国、心強い大韓民国>というスローガンは異常だ。

自営業者たちが特に厳しい状況だ。コロナの影響も大きいが、それ以前から打撃を受けていた。「所主成」(所得主導成長)の次元で進められた最低賃金の急激な引き上げは自営業者たちを袋小路に追い込んだ。最低賃金文在寅政府発足2年目にして引き上げ幅は16.4%(2018年)、10.9%(2019年)と、30%近くに達した。最低賃金の引き上げ分は政府が支給するものではない。例えれば、文在寅政府は最低賃金と関連して全国の自営業者にこのように知らせたのと同じだ。

最低賃金を上げましたので、あなたの店で働く人に対して値上げ賃金を支払って下さい。そうしなければ労働法違反で処罰されることになりますので、適切に対応してください!」

最低賃金の急激な引き上げによる副作用はすぐに現れた。支払う余裕のない自営業者は生き残るために職員の数を減らさざるを得なかったし、この時期に仕事を失った多くの人たちは就職が難しくなった。このような庶民経済の混乱は各種経済指標に反映された。仕事を失った下位層の所得が減り、両極化が深まったことが代表的だ。統計方式の不協和音で統計庁長が解任される未曾有の事態まで起きた。コロナ以前の2019年第1四半期の経済は「マイナス0.4%」という逆成長を記録し民間消費はマイナス0.5%にもなった。10年で初めて全ての階層の所得が後退した。結局、2019年6月8日に文在寅政府は「景気下方」という表現を公式に言及し、経済が壊れたことを認めた。

原発を露骨に冷遇する文在寅政府のために国家が被った損失は測定不可能である。7月19日、政府(産業通称資源部)は電力不足に備えるため、新月城(ウォルソン)1号機、新古里(コリ)4号機、月城3号機などを順次稼働すると発表した。原発なしでは電力不足克服が難しいということを告白したのだ。原発を蔑ろにすれば庶民経済はさらに厳しくなる。7月28日、ある専門家(キョンヒ大・原子力工学科チョン・ボンジン教授)は文在寅政府の原発政策と関連して「韓電は電気料金を引き上げるしかない。少なくとも3回以上、値上げがあると思う」と警告した。文在寅政府発足以後、新規原発建設が白紙となり、原発の寿命延長が保留された。原発の空きをLNG発電と太陽光発電で埋めようとした。ところがLNG発電は価格が高い。太陽光発電は広範囲な心理破壊など、環境破壊が避けられない。

更に深刻な問題は、その間築いてきた原発技術の基盤が揺らいだということだ。将来が不透明だと感じた一部の原発技術者らが海外に出ていく兆しは既に顕れている。せっかく醸成された原発技術者の離脱による損失は当代だけでなく後代にまで及ぶ可能性がある。文在寅政府は功績欲がまたとあり、海外の原発建設を韓国企業が受注することを寝ても冷めても望む。他の国ではこのような姿の文在寅政府の姿を二律背反と見ないか?

2.4対策、5.28対策、6.17対策、6.19対策、7.10対策、8.2対策、8.4対策、9.5対策、9.13対策、9.21対策、12.16対策など...文在寅政府はこのような形で不動産対策を2021年7月まで計25回にわたって披露した。2ヶ月に1度の割合でマシンガンのように出してきた。しかし結果は残酷だ。文在寅政府は既に「マクガ派*1」式に出ている。7月28日、不動産関連の対国民談話では、まるで国民を相手に脅迫でもするかのように警察庁長官を帯同し、「市場を撹乱する行為を年中取り締まる」と脅した。政府の無能さによって暴騰した不動産は韓国の20代にとって人生設計を放棄させ、継ぎ接ぎ式の不動産関連税は苛斂誅求*2になりつつあり。

文在寅政府は国家間の約束まで覆した。まるで自分がやればもっと上手く出来る、というように何かを見せつけるが如く、豪気に振る舞った。しかし結果は後始末が出来ず、日本から輸出規制を受けることになり、罪のない企業と一般国民だけが被害を受けている。竹槍歌と12隻の船を口にして李舜臣まで召喚し輸出規制を撤回するよう日本に迫ったが、日本は微動だにさえしない状態だ。むしろ今は日本にすがりつき首脳会談を物乞いしているところだ。

コロナ対策においても文在寅政府はすっかり参ってしまった。「K防疫!」と自惚れるたびに大流行がやってきた。今は「シーズン4」が行われている。ワクチンの確保だけでもそうだ。大統領が乗り出して物量を確保した、と言って散々恩着せがましく振る舞ったが、現実は全く違うものになった。ワクチンがあーだこーだと言い訳ばかりが溢れている。防疫を掲げ、他の国では見られない全体主義的な国民統制を乱発し、既に苦痛を強いられている自営業者をさらに苦しめている。二面的な行動も見られる。保守陣営の集会に向けては感染の発生源であるかのような厳しい態度を見せていたが、民主労総の集会に対しては寛大な態度を見せる。

自営業者たちの苦痛は政府の所主長*3というデタラメな理論を全面に押し出した最低賃金の急激な引き上げから端を発し、原発システムの崩壊の危機と電力不足は政府の現実を忘れた原発冷遇政策から始まった。賃貸市場の混乱など、不動産の難航も政府の規制一辺倒の政策が生んだ災だ。韓日関係の破綻と日本の輸出規制に寄る混乱の様相もまた政府の時代錯誤的な反日の産物だ。ワクチン供給に支障が出たことによる防疫の混乱は政府がワクチンの重要性を事前に認識できず、後になって慌てて迎えた因果応報だ。

文在寅政府の失政の事例を挙げると徹夜しても足りない。歴代政府の中でも文在寅政府だけに外交・安保、法治、経済などのすべての分野で国益を毀損し、広範囲の国民たちに満遍なく苦痛を与えた政府は無かった。次以降、韓国政府がどのような姿を見せるか分からないが、これだけでも文在寅政府は「国政失敗」分野で後にも先にも無い記録を立てた。後代まで含めて「少々の無能さ」では記録更新が難しいほど深刻な「国政失敗」である。

肝心なのは、すべての事故は文在寅政府が起こし、後始末はいわれのない国民が全て引き受けているという点だ。<危機に強い国、心強い大韓民国>という図々しいスローガンを<危機を呼ぶ政府、後始末をする国民>に変えたい理由がここにある。

趙甲濟ドットコム「<위기에 강한 나라, 든든한 대한민국>이라는 文在寅 정부 구호(口號)(<危機に強い国、心強い大韓民国>という文在寅のスローガン)」より


政策の迷走は庶民生活に跳ね返る...これは日本も他人事ではありませんね。


*1:原文「막가파」。脅迫、窃盗、殺人などを行っていた10代〜20代の青年グループ。ここではヤ○ザ的な意味。

*2:税金や借金を容赦なく取り立てること。

*3:所得主導成長