韓国若者の体感失業率25%という話

韓国の若者の体感失業率が25%と、非常に高い数値が出ました。

中央日報の記事からです。

「大企業の数、先進国より少ない韓国、自営業者は後進国ほど多い」


「青年失業、女性のキャリア断絶、自営業飽和、成長が止まった中小企業、正社員の過保護」

韓国経済研究院が9日発表した「韓国雇用市場の5大特徴」だ。OECD統計と統計庁のデータを活用し、韓国の雇用市場を分析した。


韓国の青年(15〜29歳)雇用率は42.2%でG5国家(主要5ヵ国、米国、英国、ドイツ、フランス、日本)平均(56.8%)より14.6%ポイント(p)低かった。韓国の青年経済活動参加率(46.4%)もG5国家平均(62.5%)にはるかに及ばないことが分かった。

青年4人に1人は事実上失業状態で、青年体感失業率が25.1%に達した。昨年の若者の求職放棄者は計21万9000人と、15年比18.3%伸びた。統計庁の調査によると、若者の求職放棄の理由は「希望する賃金水準や労働条件が合う仕事が無さそうだから」が33.8%で最も多かった。韓経研は「良質の雇用が不足する状況でコロナ19が長期化し、求職を断念する青年が急増すると見られる」と分析した。


女性の雇用も振るわなかった。韓国の女性雇用率はOECD平均(59.0%)より低い56.7%に留まった。特に35〜39歳の女性の経済活動参加率(60.5%)はトルコ、メキシコの次に低かった。全体労働者のうち、女性の時間制雇用の割合を見ると韓国(9.3%)はOECD平均(11.2%)より低かった。

自営業者の割合は以前として大きい。韓国の自営業者の割合は24.6%でOECD加盟国35カ国のうち6番目に高かった。韓国より自営業の割合が高い国はコロンビアやメキシコ、ギリシア、トルコ、コスタリカだった。


(中略)


韓国は大企業の数がG5国家に比べて少ない水準であることが分かった。ドイツの場合、1万社のうち44社が大企業だが、韓国は9社程度だった。大企業の数が少ないため、中小企業従事者の割合が86.1%でG5国家平均53.6%に比べて高いことが調査でわかった。

(中略)


韓経研はまた正規職員解雇規制の懐柔性順位がOECD37ヵ国中20位に過ぎず、法的解雇費用も1週間給与の27.4倍でG5平均に比べて大きいと指摘した。チュ・グァンホ韓経研経済政策室長は「労働規制を緩和して企業の雇用負担を緩和し、より多くの中小企業が中堅企業・大企業に成長して良質の雇用を創出できるよう企業規模が大きくなるにつれ課される差別規制を解消すべきだ」と述べた。


(中略)


今年の韓国の経済成長率が3.9%を記録するだろうという見通しも出ている。韓経研はこの日「世界景気の早い回復に寄る輸出好調にも関わらず新型コロナウィルス感染症(コロナ19)第4次大流行長期化に伴い消費の回復傾向が下半期にますます弱まる」と見通した。


(後略)


中央日報「"대기업 수 선진국보다 적은 한국, 자영업자는 후진국만큼 많다"(大企業の数、先進国より少ない韓国、自営業者は後進国ほど多い)」より一部抜粋

基準をOECD35ヵ国にしたり37ヵ国にしたりしていますが、原文ママです。ちなみにOECDは38ヵ国です。

韓経院の室長さんの言いようだと韓国に大企業が少ないのは「大企業になると不当な扱い(責任が重くなる)から」とか「労働規制が厳しくて中小企業が人を雇えないから」とか分析しているようですね。

果たしてそうでしょうか?経済成長率が3.9%あるにも関わらず、青年失業率が25%はちょっと説明できない気がします。

青年失業率が高いとボディーブローのようにジワジワ効いてきます。日本が「失われた20年」とか「30年」とかなぜ言われるのか。バブルが弾けたのは言うまでもありませんけれども、その後雇用が冷え込んだのが大きいですね。いわゆる「氷河期世代」ってヤツです。

この世代の人たちは相対的に収入が少ないので物を買いません。その上、世の中不景気でますます物が売れないのでデフレが進みます。氷河期世代より若い世代も安い物で満足出来る限り、あんまりお金を使わなくなりました。

結果、ますます売れないのでデフレが〜...という負のスパイラルです。

ただ韓国の場合が日本と違うのは収入が無くても支出を抑えない、というところです。家計負債がどんどん膨らんでいるのはそのせいでしょう。

そのため大企業ほど収益が集まってるみたいですけれど、その大企業は海外へ投資しているので国内でお金が回らない構造になっています。

いずれどこかが耐えられなくなったら一気に崩れるかもしれません。ジェンガみたいに。