韓国人の中国に対する世論が悪化すると日本への高感度が上がる?話

韓国では中国に対する世論が悪化すると、日本に対する好感度が2倍近く上昇する、みたいなタイトルの記事がありました。

なんか変な感じですけど、韓国人にとって中国と日本はシーソーの両サイドに居る、ということ?と思って記事を呼んでみた所、対中好感度と対日好感度の因果関係についてはほぼ語られていませんでした。

最近よく見かける「日韓関係の改善は民間交流から」みたいな内容で、自分たちの政治的意見を世論とかアンケートの名を借りて都合よく主張しているいつものパターンのように見えます。

 

文化日報の記事からです。

韓国民、対中世論が悪化すると..対日好感度2倍近く上昇


韓日関係が数年間あ足踏み状態である上、両国の新政府がこれを改善するという期待が低いにも関わらず、韓国人の日本に対する好感度が反発した背景には、中国に対する世論が急激に悪化したためという分析が出ている。韓国人の対中好感度が対日好感度の半分水準まで下落し、中国内の人権弾圧問題などに対する対応の次元で韓日両国が協力すべきだ、という世論が拡散している。これと共に、相手国の大衆文化コンテンツを消費する両国のMZ世代(1980年代初め〜2000年代初め生まれ)が好感度改善を主導していることが数値で改めて確認された。


東アジア研究員(EAI)と日本非営利シンクタンク言論NPOが8月末から9月初めにかけて両国の18歳以上の成人男女約1000人を対象に実施し、28日に発表した調査結果によると、日本に対して「肯定的な印象」を持っている韓国人の割合は昨年の12.3%から今年は20.5%に上昇した。韓国の日本に対する好感度は2015年以降、着実に増加傾向を示していたが、安倍晋三政権の輸出規制やそれに伴う韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)終了論争などが重なった2020年に急激に悪化した。安倍首相退任後、日本の首相に対する非好感度は90.0%で56.1%と大幅に低下した。


対日好感度の上昇に伴い、韓日関係改善要求も高まっている。韓国の回答者の内45.8%は両国間に存在する対立を「未来志向的な観点から何とか克服するべき」と答えたが、「日本政府の対応が変わらなければ距離を置くべき」(15.6%)、「未来志向的な関係を構築すること自体が困難」(6.9%)など、対立局面を引く継ぐべきだという意見をはるかに上回った。歴史問題に関しても「未来志向的な協力関係を築いていけば、歴史問題も徐々に解決されるだろう」という見方が24.5%から38.1%に増えたのに対し、「両国間の協力状況と関係なく歴史問題は解決しないだろう」という強硬な立場は43.6%から21.7%まで半分の水準に急減し、世論の気流に変化が見られた。


EAIはこのような現象が表れたことについて、中国要因が働いたと見ている。中国と日本を韓国に対する「軍事的脅威」と認識した比率は1年前まではそれぞれ44.3%と44.1%で似たような水準だったが、今年は61.8%と38.6%と大きく差が開いた。特に新疆ウイグル地区内の少数民族迫害など人権問題に対して強硬に対応すべきという世論は日本(35.0%)より韓国(61.0%)が2倍近く多かった。これにより最悪に突き進んだ日本との関係を改善し、米国との三角協力強化、「クアッド」(米国・日本・豪州・インドの4ヵ国協議体)加入推進など、安全保障の次元で協力しなければならないという認識が強まっている。葛藤悪化の核心要因だった経済部門でも「韓日両国の経済は相互補完的であり、win - win関係を構築することが可能だ」との意見が34.3%から43.2%まで上がった。ただし、両国いずれも政府主導で韓日関係が改善するとの期待は大きくなかった。29日に日本で自民党総裁選挙が行われる予定の中、日本で新首相が就任しても韓日関係は改善しない、という世論が韓国で52.3%、日本で59.7%と過半数だった。来年初めの韓国大統領選挙に対する期待も低かった。


両国に対する好感度の上昇は、政府ではなく相手国の大衆文化を享受する民間の若者が主導している。日本国内の韓流文化消費層の81.2%が「韓国に良い印象を持つ」と答え、韓国でもこの比率は67.0%程度と高かった。特に韓国の場合、32.4%が「韓日関係悪化時、日本の文化消費をためらうことになる」と答えたが、日本は64.6%が「韓日関係が悪化しても韓国のコンテンツを変わらず楽しむ」と答えた。


文化日報「韓국민 對中여론 악화되자.. 對日 호감도 두배 가까이 반등(韓国民、対中世論が悪化すると..対日好感度2倍近く上昇)」より一部抜粋

敢えて言うなら、中国に対する警戒感から日本との関係を重視するようになった、と取れなくもないんですが、それって好感度上昇関係ないでしょう。

私、一応この記事が前提にしている「MZ世代」とやらなのでハッキリ言わせてもらいますとね、大衆文化と国に対する好感度はあんまり関係ないですよ。少なくともポジティブな方面にはあまり働かないと思います。

私も昔、韓国産の音ゲーやったり関連アーティストのCDを直輸入で購入した経験ありますけどね、そのときに日韓関係に関心があったか?と聞かれると、欠片もありませんでした慰安婦、徴用工についてもほとんど知りませんでしたし、なんなら朝鮮半島の場所も知りませんでした。(さすがにコレは自分でもどうかと思う。興味ないにも程がある)

なぜかって言うと、私が興味があったのはあくまでプレイしていた音ゲーであって韓国の歴史や文化や人じゃなかったからです。

むしろ韓国自体に関心を持ったのは韓国への「疑問」が生じてからです。(きっかけは前述の音ゲーでのパクリ疑惑)

でも大衆文化を楽しんでいる人たちってそんなもんじゃないですか?

だからこそ、日本側は日韓関係が悪化しても韓国コンテンツの消費行動に変化はない、と答えた人が半数以上いたわけです。

これって政治的問題や国家間のしがらみに興味ない、と言っているのと同義です。逆説的にこういう人たちが関係改善の架け橋になることは期待薄ってことでしょう。興味ないんですから。