「防疫でも韓日戦は完敗」という韓国メディア、一体何と戦っているの?という話

韓国のコロナ対策を見ていて「一体何と戦っているんだろう?」と感じることは一度や二度ではありません。
ワクチンに変わる対策として注目されているコロナ飲み薬、これの確保についても相変わらずなコラムがありました。

日本と韓国の防疫の差を分析し、その違いを「長期戦」と「短期戦」に分けてみると「短期戦」を選択した韓国は初期の防疫に成功したことで「長期戦」に備えるためのワクチン確保を怠った...まあ、ここまでは良いと思います。(その韓国の防疫を絶賛していた筆頭は韓国メディアだったわけですが)
次に「長期戦」への対応の遅れが尾を引いて今の医療崩壊があり、それが飲み薬確保でも繰り返されるんじゃないかという懸念が、各国が確保した飲み薬の量を比較する形で示されているのですけれど、ここでの物差しが相変わらずの「日本」です。
「日本」と比較する形でしかコロナ対策への批判も出来ないようです。K防疫を批判すること、すなわち「頑張っている国民を侮辱すること」だからでしょうか?

 

 

朝鮮日報の記事からです。

50万 vs 360万、治療剤の確保も一歩遅れた韓国


最近、ある大学病院の教授に「韓国と日本の医療水準を比較して欲しい」と尋ねると、彼は「起訴分野はまだまだ」と答えた。この教授は「韓国と日本のコロナ19防疫状況を見ても実力差がある」と述べた。12月現在、韓国のコロナ状況は統制不能に突き進んでいる反面、日本ではコロナがほとんど姿を消した。韓国のコロナ感染者数は1日7000人台を上下し、死亡者は1日100人以上出ているが、数カ月前に「医療崩壊」を懸念していた日本の現在の1日のコロナ感染者は10人、1日の死亡者は1人前後だ。

韓国と日本のコロナ大逆転の原因をめぐっての分析はまちまちだが、医療会では両国のワクチン接種戦略に注目する。日本のコロナ対応戦略は「長期戦」だった。日本が限られた医療資源を重症者に集中する一方、販売されたワクチンの中で予防効果が最も高いとされるファイザーとモデルナワクチンを迅速に確保し、国民に着実に接種を行ってきた。

韓国は大量検査(Test)、接触追跡(Trace)、迅速隔離(Treat)の3T戦略を取った。大量検査で確定者と密接接触者を早く探し出して隔離し、大量処置に乗り出す「短期戦」だった。コロナ大流行初期のK防疫の効果はここから出た。しかし短期的な成果に酔いしれ、グローバルワクチン確保戦に遅れを取っており、その結果、効果の高いワクチン確保に一歩遅れた。

(中略)

ところがこうしたワクチン確保の遅れは「コロナ治療剤」でも再開される兆しだ。ファイザーは来年、パクスロビド1億2000万人分を供給する。

(中略)

世界各国はファイザーの「パクスロビド」とメルクの「モルヌピラビル」飲むコロナ治療剤確保戦に乗り出した。米国はパクスロビド1000万分にモルヌピラビル310万人分を確保した。英国は2種類の治療剤を合わせて500万人分の購買契約を締結した。日本はモルヌピラビルを160万人分を確保した状態で、パクスロビド200万人の供給契約を結んだという。一方、韓国が導入契約を締結した治療剤の量は40万4000人分(パクスロビド16万人分、モルヌピラビル24万人分)だ。

政府がこれまで確実に導入契約を締結したのはモルヌピラビル20万人、パクスロビド7万人分だとしている。キム・ブギョム首相は同日午前の会議でパクスロビド30万人分の購買交渉を進行中だと明らかにしたが、それでも韓国が確保した治療剤の量(50万人分)は日本の契約量(360万人分)の5分の1にも満たない。このため「ワクチン導入時と同様にコロナ治療剤の確保も一歩遅れるのではないか」という声が出ている。

現政権は何かある度に竹槍歌を歌い「二度と日本に負けない」と述べた。与党の有力政治家は日本の対韓国半導体・ディスプレイ素材輸出規制に対し「日本に完璧に打ち勝った」と述べた。K防疫の成果を誇る時も日本と比較した。
しかし、最近の防疫状況を見ると韓日戦は完敗だ。まだ日本を「飛び越えた」と自我陶酔に陥っている官僚が防疫当局に居たら気をつけなければならない。世論に押されて政界の顔色を伺いながら臨機応変に政策を出すのではなく、少なくとも1年後を見据えての政策を立てなければならない。

(後略)



朝鮮日報「[팀장 칼럼] 50만 vs 360만, 치료제 확보도 한발 늦은 韓(50万 vs 360万、治療剤の確保も一歩遅れた韓国)」より一部抜粋

モルヌピラビルは昨日、厚労省の専門部会が国内での製造販売承認を審議が行われ無事承認されました。

記事中では米英の確保量も紹介されていますが、結局比べているのは日本とだけです。ホント、一体何と戦っているのでしょう?
日本に勝った/負けたの話がしたいなら、追い打ちをかけておきましょう。日本はコロナ治療薬を米国から買うだけではなく、国内でも開発中です。
現在、塩野義が最終臨床試験(治験)中の飲み薬が実験室レベルの分析でオミクロンに有効だったことが発表されています。
この薬は感染初期に服用することで重症化を抑える効果が期待されています。年内の承認申請を目指しているそうです。

日本でもオミクロンの市中感染が確認され、徐々に感染者数が増えそうな気配です。
治療薬確保までにいかに感染者数を抑えて時間が稼げるかが大事だと思うんですけれど、韓国のメディアを見ていると、そうした視点は無いように思えます。それも含めて「短期戦」の視点しか持っていないということでしょうか。