「終戦宣言」拘りすぎ注意、「次期大統領は日本との関係改善が最重要」という話

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年こそコロナが収束して気兼ねなく遠出できるようになりますように。

さて、年は明けましたが当ブログでやることは変わりません。
今年は韓国の大統領選挙ということで、韓国メディアが欧州のシンクタンクの会長にインタビューを行い韓国次期大統領が進むべき道について尋ねました。
主な提言としては3つ。1つは「クアッドとの連携(加入)を模索すること」、次に「クアッドに参加するためにも日本との関係改善は最重要課題であること」、最後に「終戦宣言にこだわり過ぎないこと」です。結構難易度高い課題だと思います。

 

 

イーデイリーの記事からです。

「韓国、終戦宣言に執着せず...韓日関係の改善が先」


(前略)

「韓国は韓半島外での多くのイシューに関心を持つ必要があります。次期大統領の最も重要な役割です」

世界最大の政治リスクコンサルティングシンクタンクであるユーラシア・グループのイアン・ブレマー会長(52)の助言を一行でまとめると次の通りだ。地政学的に脆弱な韓国は、国外の経済安保問題を疎かにすれば常に漂流する危険にさらされている。

イーデイリーはブレマー会長と、年末を控えた先月20日(現地時間)電話で新年の特別インタビューを行った。彼は特定の理念に縛られず主要政府と企業リーダーに現実的な助言をすることで有名な国際政治の大家とされる。韓国政府も同様に諮問を求めているという。

「韓国、クアッドに参加できなかったのは厳然たる現実」

ー グローバル経済安保の概念が高まっている。
△(インド太平洋地域で)クアッド(米国、日本、インド、豪州4ヵ国の非公式安保会議体)を見てもそうだ。コロナ19ワクチン確保、新しいインフラプロジェクトのための資金調達、軍事安保協力、機密情報の共有など4ヵ国間の外交が活発になっている。

ー 韓国は米中の間に挟まっている。
△韓国が中国と結ぶ経済関係の重要性は疑う余地がない。韓半島の安保問題も中国が重要だ。韓国の立場として(どちらか選ばなければならない)これ以上、中国と協力できない立場になりたくないのだろう。しかし残念なことに中国問題は昨年5月の韓米首脳会談の時(意見の一致が得られない)主要難題だった。

(中略)

ー 韓国は今年3月に大統領選挙を控えている。
△(日本を含む米国中心の経済安保インナーサークルに入るか、現在の外交基調を維持するかについては)今年大統領選挙にかかっている。

ー 次期政権に現実的な助言をするとしたら。
△米国は韓国を非常に重要な国と見ている。〜(中略)〜しかし、韓国がクアッドに参加出来なかったのも現実だ。韓国はクアッドと共にする方法を模索しなければならない。

ー どうすべきか。
△クアッド4ヵ国に1国だけ追加するのは難しい。それでもカナダと韓国が同時に加入する方法もあり得る。カナダもクアッドに入らなければならない国とされる。しかし、前提がある。韓国が日本との関係を改善するまでは容易ではないということだ。

ー 韓日関係の改善をどうみるか。
△次期韓国大統領にとって最も重要な課題は韓日関係改善だ。(米国の北東アジア政策は常に韓米日三角構図から出てきた)米国の最も重要なアジア同盟が韓国と日本だが、両者の関係が良くないのでは話にならない。(韓国と日本は1998年当時、『キム・デジュン・小渕宣言」以後、これといった関係改善事例はなかった)

ー 韓日は歴史問題が足枷になっているが。
△両国の若者にとって歴史より重要な問題がある。気候変化、コロナ19事態、経済体制問題、ジェンダー問題などだ。彼らは既成世代にこのような問題を解決する能力がないと見ている。両国が似ている点だ。これを協力の動力として活用するのが互いの利益だ。

ー 韓国は中国の報復を恐れているが。
△そこでクアッドが重要だ。クアッドが強力なのは日本、豪州、インドが共にしているからだ。中国の影響が大きくなることを憂慮するという共通点がある。

ー 次期韓国大統領に助言をするとしたら。
韓半島の外の問題により多くの関心を注ぐ必要がある。バイデン大統領は中国とロシアに気を取られている。米国内ではインフレーション、コロナ19、今年の中間選挙などがある。韓半島問題に関心を持つ余力はない。しかし韓国はインド太平洋地域でバイデン政府の外交優先順位を支持する形で米国との関係を深めることができるだろう。次期大統領がすべきことだ。

ー 韓国政府は終戦宣言に集中しているが。
終戦宣言は象徴的なものに過ぎない。むしろ迂闊に終戦宣言がなされるなら今後、中国と北韓韓半島平和定着のために在韓米軍撤収を要求するだろう。米国はこれを潜在的に一度踏み込めば抜け出すことの出来ない道(as a potentially slippery slope)と考える。終戦宣言は(韓半島非核化、相互信頼による戦争防止合意、米朝国交正常化など)広範囲な平和協定の一部にならなければならない。

ー 米国は北韓をどう見ているか。
北韓の問題は核を持っているという点だ。キム・ジョンウン国務委員長は核廃棄について真剣に交渉する意志がない。(トランプ政権時の)2018年の米朝首脳会談は失敗した。前回の会談で結果が得られなかったがバイデン大統領が首脳会談に出る理由はない。

ー 韓国はなにができるのか。
北韓は実質的な安全が保証されない限り核を放棄するはずがない。ワシントンと平壌が介入しなければ韓国に出来ることは多くない。

(後略)



イーデイリー「"한국, 종전선언 집착 말라..한일관계 개선이 먼저"(「韓国、終戦宣言に執着せず...韓日関係の改善が先」)」より一部抜粋

以下、記事についたコメントを抜粋します。

 

日本はどうか頼むからもう一度韓国戦争が起きて、追いつき追い越そうとする韓国経済を押しつぶして世界2位の経済大国を夢見ている奴らだから、終戦宣言すれば希望が消え去ってしまうので心配なんだよ。(共感 3354 非共感 33)

私たちの艦艇にレーダーを照射し、独島侵奪を露骨にする国との友好は、私たちに掛かっているのではなく敵対化を追求する相手国の立場に掛かっている。それを理解できず日本との関係改善が私たちの責任だという事自体、韓日関係を全く知らない人だと言える。それに様々な面で遅れている日本を、まだ優位に置いているということ自体が、こいつの北東アジア理解水準が薄っぺらだということを示している、こんなやつのインタビューをこんな風に出すなんて情けない。(共感 1713 非共感 9)

日本は韓国が戦争を起こして滅びることを望んでいるが...ノンキなことを言っていますね..マスゴミ共は国もないのか?(共感 1581 非共感 9)

日本は韓国を置い落とせば世界2位に返り咲けるんですって。(...あれ?おかしいな、韓国って今世界2位でしたっけ?)
「私たちの艦艇にレーダーを照射し(우리 함정에 레이더를 조사하고)」は誤訳じゃありません。思わず3度見くらいしました。こうやって記憶と認識は改ざんされていくんですね。(ちなみに「照射」と「調査」は同じハングル表記)

日韓で歴史問題が足枷になっているのは韓国が醸造しちゃった感があるんですけどねぇ...。「未来的思考で〜」と言いつつ「未来を語る上で過去は無視できない(キリ」と誰よりも過去に拘っている韓国さん。

 

ブレマーさんの指摘する「日本との関係」の重要さは過去にロシアを警戒した英国が清を通じて朝鮮に警告したのと全く同じ理屈でしょう。恐らく今回も通じないのではないかと...歴史から学ぶべきってこういう所なんでしょうに。

そう言えば、韓国が「終戦宣言」を推し進めたがる理由を「雰囲気作りをすることで何かをやった気になっている」と考えていたのですけれど、ちょっと違うのかもしれないと思い始めています。
ビジネス関連でたまに聞く話です。韓国では「契約」を結んでから「交渉」を始める、ということがあるようなのです。「契約」は取っ掛かりに過ぎないと考えるわけですね。
終戦宣言でもそのように考えているのだとすれば、「終戦宣言」をしてから「非核化交渉」に進む、と主張するスジは通ります。とは言え、それは韓国独自の考え方ですから国際社会で理解を得ることはないでしょうが...。

「とりあえず」で首脳会談をしたがるのも、アポなしで韓国議員団が「とりあえず」で訪日してくるのも同じ理屈だと考えられます。
「結果」(終戦宣言、契約、首脳会談...etc)を先に持ってきたがるので私の目には「既成事実を作ろうとしている」ように見えていました。でも、もしかしたら彼らにはそんな気すら無く純粋に交渉の前段階を踏んでいるつもりだったのかもしれないと、ちょっと愕然としています。
もしそうなら話にならなくて当然です。