産経新聞社説「権力の私物化は許されぬ」に対する反応の話

昨年末に高位公職者捜査処が民間人(記者)を対象に携帯電話の通信記録などを照会していた事が発覚しました。日本メディアも朝日や毎日の現地記者が照会対象に含まれていたことが分かっています。
2〜3日前に産経新聞がこの件を取り上げ「権力の私物化は許されぬ」との社説を掲載しました。
それに対して韓国メディアは「露骨に非難」として記事にしています。内容は産経の社説の中身を追っているだけで、公捜処による通信記録の照会を擁護するような内容は見えません。真意は分かりませんけれども、「他国のメディアの報道を引用」という形で予防線を張ったのかな?とも思えます。

 

 

ソウル新聞の記事からです。

日、産経新聞「これでも韓国を民主主義国家と言えるのか」露骨に非難


(前略)

産経新聞は14日、「韓国の公捜処」権力の私有化は許されない」という見出しの社説(コーナー名は「主張」)を掲載した。

産経新聞は社説の最初の文を「これでも(韓国を)民主主義国家と言えるだろうか」という表現で始めた。
続いて「韓国で言論の自由が脅かされる事態が再び発覚した」とし「ムン・ジェイン政権が1年前に『検察改革の柱』として発足させた捜査機関、高位公職者犯罪捜査処が日本メディアを含む多数の記者と野党議員の通信資料を照会した」と主張した。

「公捜処は裁判、捜査、刑の執行、国家安保に対する危害を防ぐために通信資料を照会したと明らかにしているが、充分な説明が出来ていない。公捜処が照会した日本メディアを含む報道機関が国家安保に危害を図っているということか。これはマスコミ報道に対する明白な圧力ではないか」

(中略)

産経新聞は「捜査権限など刑事権力は国民から信託されtもの」とし「民主主義を毀損する権力の私有化は許されないことをムン・ジェイン政権は知るべきだ」と社説を結んだ。

過去史や領土問題で日本の保守右翼の立場を代弁している産経新聞は進歩性向のムン・ジェイン政府に対して批判の刃を向けてきた。2014年には加藤達也当時産経ソウル支局長がセウォル号惨事の当日のパク・クネ当時大統領の行動と関連したコラムを書いたことで名誉毀損で起訴された。



ソウル新聞「日산케이 "이래도 한국을 민주주의 국가라고 하겠나" 원색적 비난(日、産経新聞「これでも韓国を民主主義国家と言えるのか」露骨に非難)」より一部抜粋

タイトルの「露骨に非難」の「露骨に」と訳したところですが、原文は「원색적」となっています。「원색」には2パターンの漢字表記があります。
一つは「原色」。「露骨」の意味に当たるのはこちらです。「原色」は色がはっきりしていて分かりやすいので「露骨」の意味になるのでしょう。
もう一つは「怨色(えんしょく)」。「怨みを抱いた顔色」だそうです。
文面的に自然なのは「露骨」の訳だろうと思うのですが、セウォル号の時の件に触れていますし、「怨色」の意味も揶揄的に込められているのかもしれませんね。

 

コメントは6000件を超えています。以下に共感の多かったものをいくつかピックアップします。

・手放しで国民の荷物*1を援護射撃してくれる焦った日本www。
今度の大統領選挙は韓日戦だ。(共感11994 非共感179)

・ふざけてるねwwww
「特定機密保持法」なんてものを作って政府が禁止したものを放送したら懲役10年まで非難する日本こそ民主主義国家なのか。
実際に法が通過し、言論の自由度指数はほぼ70位以下に落ち、それに韓国をいじめる専門部署まで作ったくせに冗談言うのを見てみろwwww
ホント、どうして一言一言が国民の荷物党と同じなんだ?wwww(共感8141 非共感74)

一党独裁の議院内閣制に慣れて国民たちはぐぅの音も出ない犬豚たちの国日本で民主主義を論じるとはねwwwwwww(共感6376 非共感54)

・こんな根拠のない記事を書き込むな。産経極右新聞を報道してやるか、給料を減らさずただ休め(共感4077 非共感68)


最後のコメントが直訳だと分かりにくいですけど「産経の記事を報道してやるくらいなら、給料を貰って休んでろ(意訳)」ということです。

*1:原文「국짐」。国民の力を侮蔑した呼び方。